オルカンは何年持てばいい?米国株の長期データで検証してみた
「長期投資が大事」——投資を始めると、必ずと言っていいほど耳にする言葉です。でも、具体的に何年持てばいいのかを、はっきり教えてくれる人は少ないと感じませんか。
10年でいいのか、15年なのか、それとも20年、30年必要なのか。今日は、オルカン(全世界株式インデックスファンド)の中身の中心でもある米国株の長期データを使って、実際に検証してみます。
なお、オルカンそのものの運用実績はまだ数年しかないため、「オルカンで100年検証」はできません。今回はオルカンの構成の中心である米国株(S&P500)の長期データを使った検証、という位置づけで読んでください。
過去データの答え(ドル建て)
Yale大学のRobert Shiller教授が公開しているS&P500の月次データ(1871年1月〜2024年9月)を使い、配当を再投資したドル建てで15年保有した場合の年率リターンを、保有開始月ごとに1,665通り計算しました。

マイナスになったのは1929年9月に保有を始めた1件だけで、年率-0.36%でした。世界恐慌直前という、歴史上もっとも厳しいタイミングで始めた場合です。1950年以降に保有を開始した窓は、すべてプラスでした(図は毎年1月始まりだけに絞った年次ベースのため、この1929年9月というピンポイントな1件は図には表示されていません。図の「10年保有:4/144年」「15年保有:0/139年」は、あくまで年次に絞った件数です)。
投資の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』でも、保有期間を長くするほど株式のリターンのばらつきが小さくなることが示されています。今回の検証結果は、その考え方とも整合しています。
※これはあくまで過去の実績です。将来も同じ結果になると保証するものではありません。
ただし円建てでは
日本に住む私たちにとって大事なのは、円に換算した場合にどうだったかです。

為替データの制約で検証できる1971年以降について、同じ15年保有の年率リターンを円換算で465通り計算したところ、この範囲ではマイナスの窓は0件でした(最も低かったのは1997年12月開始で+1.47%)。ただし1971年より前は検証できていないため、「マイナスがなかった」とは言い切れません。あくまで「検証できた範囲では」という条件つきの結果です。
もう一つ、正直に書いておきたいことがあります。配当を含めず価格だけで計算すると、1997年前後に保有を始めた窓はわずかにマイナスになります(最悪-0.90%)。配当を再投資したかどうかで結果が変わる、という点も押さえておきたいところです。
為替そのものについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
為替は将来どちらに動くか誰にも読めません。だからこそ、毎月の積立で購入時期を分散させることには意味がある、と私は考えています(将来の成果を保証するものではありません)。
なぜ「15年」なのか:10年との対比
「10年ではダメなのか」という疑問にも答えておきます。同じデータで10年保有の窓も計算しました。
ドル建てでは1,725通り中51件(3.0%)、円建てでは525通り中45件(8.6%)がマイナスでした。10年保有だと、始めるタイミング次第では「外れ年」に当たる可能性が、データ上はっきり存在します。
保有期間を15年に延ばすと、この「外れ年」の影響がほとんど消えることが、今回のデータで確認できました。「何年持てばいいのか」という問いへの、一つの目安になる結果だと思います。
40代の残り時間を考える
40代から投資を始めるとして、「もう15年も持てる時間が残っていないのでは」と不安になる方もいるかもしれません。
ですが、例えば45歳の人が65歳まで20年ある、と考えると、運用期間はもっと長く取れます。しかも、65歳になった瞬間に全額を現金化するわけではなく、取り崩しながら運用を続ける期間も含めれば、実質的な運用期間はさらに長くなります。
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私自身、40歳からインデックス投資を始めて、投資歴8年になりました。まだ15年の答え合わせの途中です。
それでも、トランプショック(相場が急落した局面)の時も、最近の円安局面でも、大きく慌てることはありませんでした。「保有期間をある程度決めている」という感覚があると、目先の値動きに振り回されにくくなる、というのが正直な実感です。
逆側の整理:5年以内に使うお金は投資に向かない
ここまで「長く持てば」という話をしてきましたが、逆側も整理しておきます。
今回のデータでも、10年保有では「外れ年」が一定数存在しました。5年以内に使う予定が決まっているお金(教育費や住宅資金など)は、値動きの影響を受けにくい貯金で確保しておくのが安心です。
教育費の準備方法で迷っている方は、こちらの記事もどうぞ。
積立額より「今ある貯金の置き場所」を見直したい方は、こちらもご覧ください。
元本割れが怖くて投資に踏み出せない方は、こちらの記事もどうぞ。
40代からの投資の考え方を全体像で知りたい方は、こちらのロードマップ記事もご覧ください。
まとめ:「何年持てばいいか」より「何年持てるお金か」
今回のデータ検証では、S&P500をドル建て・配当込みで15年保有した場合、マイナスになった開始月は過去153年余りで1件だけでした。円建てでも、検証できた1971年以降の範囲ではマイナスの窓は見つかりませんでした。
ただし、これは過去の実績であり、将来も同じ結果になると保証するものではありません。また、10年保有では「外れ年」が一定数存在することも、データで確認できました。
大切なのは、「何年持てばいいか」という一般論より、「自分のこのお金は、何年持てるお金か」を先に決めることだと思います。使う予定のないお金であれば、長く積み立てを続けてみてください。
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管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き