40代からNISAは遅い?リーマンショックで半値になって売った私が、48歳の今も積立を続けている理由
「40代からNISAを始めるのは、もう遅いのでは」。
そう感じたことがある方に、まず自分の話をさせてください。私はリーマンショックのとき、保有していた個別株が半値近くまで下がるのを見て、怖くなってすべて売りました。
リーマンショックで半値、そこから相場を離れた
当時の私は、下がった株価を毎日見るのがつらくて、これ以上は耐えられないと思い、損を確定させて売却しました。「もう投資はいい」というのが、そのときの正直な気持ちです。
そこから何年か、資産形成そのものから距離を置いていました。今振り返ると、あの数年は「取り戻す」ための時間を使わなかった分だけ、遠回りをしたのだと思います。
40歳で、もう一度考え直した
再開のきっかけは、住宅を購入したことでした。40歳で家を買い、フルローン・変動金利という条件で、これから何十年も返済が続く生活が始まりました。教育費もこれから本格化します。守るものが増えたときに、逆に「このままでいいのか」と考え直しました。
一発逆転を狙うのではなく、働きながら少しずつ積み上げる形に変えようと決めたのが、このタイミングです。個別株で懲りていたので、値動きに振り回されにくいインデックス投資を中心に、コツコツ続けるスタイルに切り替えました。投資信託でひふみプラスを買って、その後売却した経験もありますが、最終的には手間をかけすぎない積立に落ち着いています。今の投資歴は約8年になりました。
途中、上の子が生まれた頃に学資保険を調べていて、YouTubeで両@リベ大学長の動画に出会いました。そこから今もほぼ視聴を続けていて、家計とNISAの考え方を整理するときの拠り所になっています。
全体の順番を先に知りたい方は、こちらに8年分の流れをまとめています。
48歳から、あと何年あるのか
現在48歳。60歳まで12年、65歳まで17年あります。
「もう12年しかない」と考えると身構えてしまいますが、「12年をどう使うか」に切り替えると、意外とやれることは残っています。
60歳までは12年、65歳までは17年。同じ「残り時間」でも、区切り方次第で見え方が変わります。この17年を使って、毎月いくらか積み立てるとします。月1万円なら元本204万円、月3万円なら元本612万円、月5万円なら元本1,020万円になります。これはまだ運用益を乗せていない、積み立てた金額そのものです。
毎月いくらなら、どう変わるのか
ここに、一定の利回りで運用できたと仮定した試算を重ねてみます。
想定利回りは3%・5%・7%の3通りにしました。金融庁のシミュレーターと同じ考え方で前提を置いたもので、10%のような高い前提は使っていません。期待値として並べると記事全体が「増える前提」に傾いてしまい、このブログの立ち位置と合わなくなると考えているためです。数字はNode.jsで積立終価の計算式(毎月末積立・月次複利)を使って算出しており、将来の運用成果を保証するものではありません。
| 積立額 | 元本(17年) | 年率3% | 年率5% | 年率7% |
|---|---|---|---|---|
| 月1万円 | 204万円 | 266万円 | 321万円 | 390万円 |
| 月3万円 | 612万円 | 797万円 | 962万円 | 1,170万円 |
| 月5万円 | 1,020万円 | 1,328万円 | 1,603万円 | 1,951万円 |
たとえば月3万円・年率5%で17年続けた場合、終価は962万円という試算になります。内訳は元本612万円、運用益350万円で、運用益の占める割合はまだ4割弱です。「17年あればお金がお金を生む」というより、「積み立てた分がじわじわ育つ」くらいの感覚のほうが実感に近いと感じています。
色の境界線から下が積み立てた元本、上が運用益です。65歳時点で元本612万円に対し運用益は350万円で、まだ元本のほうが大きな部分を占めます。一定の利回りを仮定したシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。年率という前提にも触れておきます。「年率5%」は、毎年きっちり5%ずつ増えるという意味ではありません。実際の値動きは、大きく増える年と大きく減る年が混ざりながら、長期の平均としてある水準に近づいていく、という形になります。この点は、のちほど「下がった場合をどう受け止めるか」であらためて触れます。
年率の前提を変えると、終価はこれだけ変わります。
年率の前提によって、17年後の終価がどれだけ変わるかを示した図です。線の開きは後半になるほど広がります。一定の利回りを仮定したシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。同じ月3万円・17年でも、年率3%と7%では終価に373万円の差が出る試算です。前提ひとつでこれだけ変わるということは、裏を返せば、どの前提も「保証されたもの」ではないということでもあります。
もうひとつ、開始する年齢を変えた場合も見ておきます。
48歳から始めた場合と55歳から始めた場合の、65歳時点の到達額を比べた図です。同じ月3万円・年率5%でも、開始年齢によって962万円と466万円、差は496万円という試算になります。一定の利回りを仮定したシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。ここで言いたいのは「だから今すぐ始めないと損」ということではありません。開始が遅くなるほど、同じ利回りの前提でも積み立てる期間の効果を得にくくなる、という単純な事実があるだけです。開始年齢が55歳や60歳になった場合は、期間の短さを前提に、積立額や考え方を調整すればいい話だと思っています。
なお、これらの試算には信託報酬(運用にかかる費用)を差し引いていません。実際の受取額はその分いくらか目減りします。またNISA口座以外で運用した場合は、増えた分に約20%の税金がかかります。この記事の試算はNISA口座での積立を前提にしています。
NISAには、非課税で保有できる上限(非課税保有限度額)があり、現在は1,800万円です。この記事の試算の中心である月3万円・17年でも、元本は612万円で、枠をすべて使い切るような水準ではありません。枠の大きさをどこまで使うかより、無理なく続けられる金額かどうかを先に考えたい、というのがこの記事の立場です。
複利は、時間をかけて効いてくる仕組みです
複利とは、増えた分がそのまま翌年以降の元手に組み込まれ、大きくなった全体に対してまた利益が乗っていく仕組みのことです。言い換えると、「増えた分も一緒に運用され続ける」というだけのことです。
単利(増えた分が元手に組み込まれず、毎月の積立額に対してだけ利息がつく場合)と比べると、差がわかりやすくなります。同じ月3万円・年率5%・17年で計算すると、単利では871万円、複利では962万円という試算になり、差は91万円です。
複利は、時間が長いほど効果が大きくなる仕組みです。ただ、17年という期間は、複利の効果が「劇的に効く」と言えるほど長いわけではありません。91万円という差は小さくはありませんが、雪だるま式に膨らむというより、じわじわ効いてくる、という感覚のほうが実感に近いです。
下がった場合をどう受け止めるか
ここまでのグラフは、どれも右肩上がりに見えます。ただ、実際の値動きはこの通りには進みません。17年という期間の途中には、大きく下がる局面が何度か入ってくるはずです。
冒頭で書いた通り、私はリーマンショックのときに、保有していた個別株が半値近くまで下がるのを見て、怖くなってすべて売りました。グラフの線がなめらかに右肩上がりで伸びていくようなことは、実際には起きません。上がったり下がったりを繰り返しながら、長い目で見て平均的な水準に近づいていく、というのが実感です。
この記事のシミュレーションも、あくまで前提を置いた試算にすぎません。途中で資産が目減りする局面が来ることを前提に、それでも続けられる金額で積み立てておくことが、数字の試算以上に大事だと思っています。
投資の前に「お金の置き場所」を分ける
投資を考える前に、手元のお金を「いつ使うか」で分けておくと、判断がぶれにくくなります。
大まかには、①生活防衛資金、②数年以内に使うお金、③教育費・住宅関連、④老後のための長期資金、の4つです。投資に回すのは、このうち④の長期資金だけで十分だと考えています。詳しい分け方は、こちらにまとめました。
「いつ使うお金か」で4つに分けると、投資に回す部分は右端の長期資金だけです。住宅ローンがある人はどう考えるか
私自身、フルローン・変動金利で住宅を購入しているので、この悩みは他人事ではありません。
「ローンがあるから投資はできない」とも、「投資のほうが必ず得」とも言い切れないというのが、正直なところです。金利の水準、住宅ローン控除の有無、手元資金の余裕、これから控えている支出によって、判断は家庭ごとに変わります。この点を詳しく整理した記事があります。
増やすことより、いつ使うかを決めておく
積立を始めると、つい「どれだけ増えるか」に意識が向きます。ただ、同じくらい大事なのが「いつ、どう使うか」を先に決めておくことです。
取り崩しのタイミング、年金との関係、老後の働き方によって、必要な準備は変わってきます。私自身、この「出口」について考えたとき、思っていた以上に迷いました。
NISAには年齢の上限がなく、65歳になったら運用が終わるわけではありません。取り崩しながらでも、残った分の運用は続けられます。48歳から65歳までの17年は、終わりではなく、いちばん最初の17年という捉え方もできると思っています。
続けられる金額かどうか
金額は、多ければ多いほどいいわけではないと感じています。「月◯万円でなければ意味がない」という考え方はしていません。
私がリーマンショックで売ってしまった一番の理由は、当時の自分にとって、その投資額や値動きの怖さが「無理をしていた」からだと思っています。家計を圧迫する金額で続けても、下がった局面で同じ失敗を繰り返しかねません。
無理のない金額を、長く続けられる形で持っておくこと。それが、あのときの反省から今も変わらず大事にしていることです。
こうした続け方の考え方のベースになっているのが、両@リベ大学長の『本当の自由を手に入れる お金の大学』です。改訂版では新NISAなど制度面の内容も更新されていて、数字を確認し直したいときに開いています。
📕 改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学
両@リベ大学長/朝日新聞出版/2024年11月発売。新NISAや制度の変更をふまえて、内容と数字が新しくなった改訂版です。
改訂版 お金の大学を楽天ブックスで見る →まとめ
「40代からNISAは遅いかどうか」は、正直、考え続けても答えが出ない問いだと思います。
それより先に考えたいのは、そのお金が何のためのものか、いつ使うお金なのか、そして無理なく続けられる金額かどうかです。私自身、リーマンショックで一度売ってしまった経験があるからこそ、この3つを先に決めておくことの大切さを感じています。
60歳まで12年、65歳まで17年。短いとも長いとも言えるこの時間を、どう使うかは、これからの自分次第だと思っています。
なお、本記事で紹介した制度やルールは今後変更される可能性があります。実際に始める際は、金融庁や利用する証券会社の公式情報で最新の内容をあわせてご確認ください。
NISAの始め方が気になった方はこちら。SBI証券の口座開設手順を初心者向けにまとめています。
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。将来のリターンを保証するものではなく、記事内の試算はあくまで一つのシミュレーション例です。制度・税制の詳細は変更される可能性があるため、最新情報は金融庁や証券会社の公式サイトで必ずご確認ください。投資は自己責任でお願いします。
管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き