住宅ローン控除が終わったらどうなる?手取りが減るのは"2回"【今年で控除終了・40代後半の実体験】
今年の年末調整(会社が12月に、税金を精算してくれる手続き)を迎えます。これが、住宅ローン控除(家のローンがある人の税金を安くしてくれる制度)を使う最後の年です。
2017年4月に都内の家を買い、フルローンで住宅ローンを組みました。あれから10年目の年です。
「控除がいつか終わる」ことは、なんとなく知っていました。でも「いつ」「どれくらい」家計に効いてくるのかは、正直よく分かっていませんでした。
この記事で分かることは、次の3つです。
- 住宅ローン控除が終わると、手取りが減るタイミングが2回あること
- 自分の場合、いつ・何が起きるかの見取り図
- 源泉徴収票と住民税決定通知書で、自分への影響を確認する方法
順番に見ていきます。
※この記事は制度の一般的な説明であり、個別の税額を保証・断定するものではありません。最終的な確認は税務署・お住まいの市区町村・勤務先で行ってください。
そもそも住宅ローン控除とは?
先に結論からお伝えすると、住宅ローン控除は「年末のローン残高に応じて、税金が安くなる制度」です。
まず所得税(給料などにかかる国の税金)から差し引かれます。引ききれなかった分は、住民税(住んでいる市区町村などに払う税金)から差し引かれます。
たとえるなら、住宅ローン控除は「10年間だけ付いてくる割引券」のようなものです。毎年1枚ずつ使えて、今年でその最後の1枚を使い切る、というイメージです。
割引券には期限があります。住宅ローン控除にも、同じように終わりがあります。
控除が何年続くかは「いつ入居したか」で決まる
結論からいうと、控除が何年続くかは、家に住み始めた時期によって変わります。
10年間の人もいれば、13年間の人もいます。2019年10月以降に入居して、一定の要件を満たす場合は、13年に延びることがあります。
私は2017年4月に入居しました。だから控除の期間は10年間です。今年(2026年)が、ちょうど10年目にあたります。
参考までに、私が入居した2017年(平成29年)のケースを紹介します。控除率は1%、年間の控除限度額は最大40万円でした。住民税からの控除上限は、所得税の課税総所得金額等の7%(上限13万6,500円)です。この数値は国税庁・総務省の公表情報にもとづくもので、入居時期が違えば数値も変わります。
自分の控除が何年続くかを確認する方法は、主に2つあります。
- 家に住み始めた年(入居年)を確認する
- 控除を初めて受けた年の確定申告の控えを見る(会社員でも、1年目だけは自分で確定申告が必要です)
この2つを確認すれば、自分の控除があと何年残っているか、だいたいわかります。
終わると何が起きる?年末調整と住民税で手取りが減る”2回”
ここが一番お伝えしたい内容です。結論からいうと、手取りが減るタイミングは2回あります。
1回目は、所得税です。控除が終わった翌年の年末調整で、戻ってくるお金が減ります。人によっては、まったく戻らなくなります。
毎月の給与から引かれる所得税(源泉徴収)には、そもそも住宅ローン控除が反映されていません。そのため控除が終わっても月々の手取りはすぐには変わらず、年末調整で戻るお金が減るという形で効いてきます。
2回目は、住民税です。所得税から引ききれず、住民税からも控除されていた人は、その次の年の6月から、毎月の天引きが増えます。
なぜ2回に分かれるのか。理由は単純です。所得税は年末調整で、住民税は翌年6月から、別々のタイミングで精算される仕組みだからです。
私の場合の時期を、表にまとめました。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 2026年12月 | 今年の年末調整で、最後の住宅ローン控除が適用されます |
| 2027年12月 | 翌年の年末調整で控除がなくなり、戻ってくる税金が減ります(1回目) |
| 2028年6月〜 | 住民税の天引きが増える可能性があります(2回目) |
同じ「控除が終わる」出来事でも、家計に効いてくる時期は2段階に分かれます。知っているかどうかで、心構えが変わると感じています。
自分への影響を、源泉徴収票と住民税決定通知書で確認する方法
結論からいうと、源泉徴収票と住民税決定通知書の2つを見れば、来年以降の目安がつかめます。
源泉徴収票を確認する
会社員なら、年末調整のあとに「源泉徴収票」という書類をもらいます。
この中に「住宅借入金等特別控除の額」という欄があります。その年に実際に控除された金額が書かれています。
控除が終わった年は、この欄の金額が急に減ったり、ゼロになったりします。まずはこの欄で、控除が続いているかを確認できます。
住民税決定通知書を確認する
毎年5〜6月ごろ、会社を通じて「住民税決定通知書」という書類が届きます。
この中にも、住宅ローン控除に関する欄があります(「住宅借入金等特別税額控除額」などの名前で記載されています)。この金額が増えたり消えたりすることで、住民税からの控除の変化が分かります。
この2つの書類を見比べれば、「来年以降、税金がだいたいいくら増えそうか」の目安がつかめます。正確な金額は人によって違うので、最終的な確認は税務署や勤務先、お住まいの市区町村で行ってください。
控除が終わると、繰り上げ返済の考え方も変わる
控除がある間は、「ローンの残高を残しておくと、税金が戻ってくる」という面がありました。だから、あえて繰り上げ返済(ローンを予定より早く返すこと)を急がない、という考え方も成り立ちました。
控除が終わると、この理由がなくなります。残高を早く減らしても、税金面でのメリットは発生しません。
借りたときの金利は、団信込みで0.975%でした。その後、他行の提示を交渉材料にして一度引き下げてもらいました。さらに市況での金利上昇を経て、今は1.2%になっています。この金利であれば、繰り上げ返済にも一定の意味があると、今は整理しています。ただし、繰り上げ返済や借り換えを勧めるものではありません。
借入時の金利0.975%に対し、当時の控除率は1%でした。計算上は、控除額が利息を上回る、いわゆる「逆ざや」の状態だったことになります。金利が1.2%になり、控除も終わることで、残高をあえて残しておく理由はなくなります。
繰り上げ返済とNISA(少額投資非課税制度)、どちらを優先すべきかは、以前に我が家なりの考え方をまとめた記事があります。
住宅ローン控除がある間、我が家が「急いで繰り上げ返済はしない」と決めた理由です。 👉 住宅ローンは繰り上げ返済すべき?それともNISA?【変動金利・我が家の結論】
金利が上がってきた経緯については、こちらの記事で詳しく確認しています。5年ルール(金利が上がっても5年間は毎月の返済額が変わらない仕組み)についても触れています。
変動金利が上がっても、返済額がすぐには変わらない仕組みを調べた記録です。 👉 変動金利が上がっても返済額が同じだった理由|40代・変動金利の当事者が確認したこと
控除が終わったあとの節税手段として、iDeCo(個人型確定拠出年金。掛け金が所得控除になる私的年金の制度)も選択肢の一つです。
わが家は、資金が60歳まで引き出せないことや、制度変更が繰り返されてきたことから、これまでNISAを優先してきました。iDeCoはすぐには始めず、60歳からの加入も含めて検討しています。
一般に、60歳以降に加入した場合は、加入から5年経過後に受け取れる仕組みとされています。詳細は最新の制度をご確認ください。
iDeCoの仕組みと、住宅ローン控除との優先順位の考え方はこちらにまとめています。 👉 iDeCoとは?徹底解説【2027年改正対応】仕組み・デメリット・上限6.2万円で何が変わるか
ふるさと納税との関係
ふるさと納税(自分が選んだ自治体に寄付をすると、税金の一部が控除される制度)にも触れておきます。控除の受け方によって、住宅ローン控除との関わり方が変わるからです。
総務省の公表資料によると、確定申告をすると、ふるさと納税の控除は所得税と住民税の両方に分かれます。一方、ワンストップ特例(会社員などが確定申告をせずに済む簡単な申請方法)を使うと、控除は住民税だけで行われます。
私はふるさと納税を多く利用しています。住民税からの控除という点で住宅ローン控除と重なる部分があるため、申請方法によって影響が変わる可能性があります。
一般的な仕組みとして、確定申告でふるさと納税をすると所得税が減り、所得税から引ききれなかった住宅ローン控除分は住民税側に回るとされています。住民税側の控除には上限があり、2017年入居の場合は13万6,500円です。この上限のため、住宅ローン控除の一部を使いきれない場合があるとされています。ワンストップ特例では所得税が変わらないため、この影響は起きにくいとされています。住宅ローン控除が終わると、この兼ね合いは考えなくてよくなります。
ここから先は個別の状況次第で断定できないため、詳しい影響はお住まいの市区町村や税務署にご確認ください。
ふるさと納税の上限額やワンストップ特例のやり方そのものは、以前に別記事で詳しくまとめています。
上限額の目安や、ワンストップ特例と確定申告の違いをまとめた記事です。 👉 ふるさと納税2026年10月から何が変わる?上限額・やり方を徹底解説
手取りが減る前に、家計で考えておきたいこと
減る時期があらかじめ分かっていれば、慌てずに家計を見直す時間を作れます。これが、この記事で一番伝えたいことです。
2027年12月と2028年6月。この2つの時期を、先にカレンダーへ書いておく。それだけでも、心の準備はだいぶ変わると感じています。
家計全体を見直したいと思ったとき、私は一冊の本を読み直しました。両@リベ大学長の『本当の自由を手に入れる お金の大学』改訂版です。新NISAに合わせて、数字や制度の説明が新しくなっています。
📕 改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学
両@リベ大学長/朝日新聞出版/2024年11月発売。新NISAや制度の変更をふまえて、内容と数字が新しくなった改訂版です。
改訂版 お金の大学を楽天ブックスで見る →積立額をどう考えるか、家計をどう整えるかについては、こちらの記事も参考にしています。
50代の資産形成は、積立額よりも「置き場所」で決まるという考え方をまとめた記事です。 👉 50代の資産形成は、積立額より『貯金の置き場所』で決まる
読者がやることチェックリスト
- 自分の入居年を確認し、控除が10年か13年か調べる
- 源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」欄を確認する
- 5〜6月に届く住民税決定通知書の、住宅ローン控除の欄を確認する
- 控除が終わる年とその翌年、翌々年をカレンダーに書いておく
- 不明な点は、勤務先の経理担当や税務署に確認する
まとめ
- 住宅ローン控除は、入居した時期によって10年か13年続きます。私は2017年4月入居なので10年です
- 控除が終わると、手取りが減るのは2回。1回目は所得税(翌年の年末調整)、2回目は住民税(その翌年6月から)です
- 自分への影響は、源泉徴収票と住民税決定通知書の2つで確認できます
- 控除が終わると、繰り上げ返済の考え方も変わります。ただし、繰り上げ返済や借り換えを勧めるものではありません
- 減る時期が分かっていれば、慌てずに家計を見直せます
税額は人によって違います。この記事だけで判断せず、最終的な確認は税務署・お住まいの市区町村・勤務先で行ってください。
💡 SBI証券|NISA口座開設(無料)
投資信託の取扱本数は業界最大級。オルカンもS&P500もeMAXIS Slim・SBI・Vシリーズで揃います。口座開設・維持費は無料。
SBI証券の公式サイトはこちら →楽天証券|NISA口座開設(無料)
わが家はSBI証券を使っていて楽天証券は利用していませんが、楽天カードで積み立てるとポイントが付くしくみがあり、楽天経済圏をよく使う方には候補になります。
楽天証券の公式サイトはこちら →※本記事は住宅ローン控除に関する制度の一般的な説明であり、個別の税額を保証・断定するものではありません。将来の税額や住民税の増減額を予測するものでもありません。控除の年数・控除額・住民税への影響は、入居時期や所得の状況によって一人ひとり異なります。繰り上げ返済・借り換え・NISA等の投資判断についても、特定の行動を勧めるものではありません。投資は元本が保証されるものではなく、損失が出る可能性もあります。最終的な判断や金額の確認は、税務署・お住まいの市区町村・勤務先・金融機関に確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・49歳
- 📅 40歳から資産形成を再スタート(投資歴9年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:ラーメン食べ歩き