変動金利が上がった今、繰り上げ返済とNISA継続をどう考える?判断の3つの物差し【わが家の実例】
「あれ、返済額は変わっていないのに、なんだかモヤモヤする」
最近、住宅ローンのニュースを見て、そう感じたことはありませんか。私も変動金利で住宅ローンを返しながら、コツコツNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)の積立を続けている一人です。
2026年9月、銀行の住宅ローン金利がまた上がったというニュースが流れました。通帳を見ても、毎月の返済額はいつもと同じ。なのに、なんとなく落ち着きません。「このまま繰り上げ返済(ローンを予定より早く返すこと)を急いだ方がいいのか、それとも今までどおりNISAの積立を続けた方がいいのか」——そんなことをぐるぐる考えています。
この記事では、答えを決めつけることはしません。正直、私自身まだ迷っています。ただ、判断するときに見ておきたい「物差し」と、我が家の実際の数字を、正直に並べてみようと思います。
※この記事は住宅ローンや投資の必勝法を示すものではありません。最終的な判断はご自身の状況に合わせて、借入先の金融機関や専門家に確認のうえ行ってください。
2026年9月、メガバンクが変動金利を上げた
先に、何が起きたかを整理します。
2026年9月、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が、住宅ローンの変動金利を0.25%引き上げると発表しました。さらに同じ9月1日には、新しく発行された10年国債(国が発行する借金の証書のようなもので、満期10年のもの)の利回り(貸したお金に対して、1年あたりどれくらいの取り分が受け取れるかを示す割合)が一時3.0%まで上がり、これはおよそ30年ぶりの高さだったと報じられています。
金利の話は、どうしても数字が独り歩きしがちです。でも、私たちが本当に知りたいのは「この先どうなるか」ではなく、「今、自分は何を確認すればいいのか」だと思います。この記事でも、この先の金利や相場がどうなるかの予想はしません。今わかっている事実をもとに、考え方を整理するものです。
5年ルールがある人ほど、変化に気づきにくい
私自身の住宅ローンには、「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みが適用されています。
5年ルール=変動金利が上がっても、毎月の返済額そのものは5年間は変えずに据え置く、という仕組みです。
125%ルール=5年後に返済額が見直されるとき、新しい返済額は前回の1.25倍までしか上がらない、という仕組みです。
この2つのルールがあるおかげで、金利が上がっても、毎月の返済額はすぐには変わりません。だから正直、「金利が上がった」というニュースを見ても、生活の実感としてはピンと来にくいんです。
でも、ここが落とし穴だと思っています。返済額という表面の数字は同じでも、その中身、つまり元金(借りたお金そのもの)と利息の割合は変わっています。金利が上がった分、利息にあてられる部分が増え、元金を減らす部分は少なくなります。痛みを感じないぶん、ローンの減り方が静かに遅くなっている、ということです。
さらに金利の上がり方が大きいと、毎月の返済額だけでは利息をまかないきれなくなることがあります。この払いきれなかった利息は「未払利息」と呼ばれ、後でまとめて精算が必要になる仕組みです。今すぐ自分に起きる話ではありませんが、知っておいて損はないと思います。
このあたりの仕組みは、以前に自分の契約を確認しながら詳しく調べた記事があります。
5年ルール・125%ルール・未払利息の仕組みを、自分の契約と照らし合わせながら調べた記録です。 👉 変動金利が上がっても返済額が同じだった理由|40代・変動金利の当事者が確認したこと
繰り上げ返済かNISA継続か、判断のための3つの物差し
ここからが本題です。「繰り上げ返済とNISA、どっちがいいか」に、私は明確な答えを持っていません。ただ、判断するときに見ている物差しは3つあります。
① ローン金利と、投資に期待するリターンの差
繰り上げ返済は、返した分の金利を確実に払わずに済みます。一方、NISAでの積立投資は、増えることは期待できても、約束されたものではありません。
ここで見ておきたいのは、「自分のローン金利」と「投資にどれくらいのリターンを期待しているか」の差です。この差が大きいと感じるか、小さいと感じるかで、天秤の傾き方は変わります。ただし、将来の金利や相場がどうなるかを言い当てることは誰にもできません。この記事でも、その予想はしません。あくまで「差をどう見るか」という考え方の話です。
② 住宅ローン控除の期間内かどうか
住宅ローン控除=住宅ローンの残高に応じて、払った税金の一部が戻ってくる制度です。
この控除が効いている間は、ローンの残高が多いほど戻ってくる税金も多くなる仕組みです。だから「控除がある間は、あえて繰り上げ返済を急がない」という考え方も成り立ちます。逆に、控除の期間が終わっていれば、この理由はなくなります。自分が今どちらの時期にいるかを確認しておく価値はあります。
③ 手元の現金を減らしすぎていないか
繰り上げ返済にお金を回すと、その分、手元の現金は減ります。生活防衛資金(急な出費や収入減があっても、生活を立て直せるだけの現金)まで削ってしまうと、いざというときに身動きが取れなくなります。「簡単には取り戻せないお金かどうか」は、繰り上げ返済でもNISAでも共通して見ておきたいポイントです。
暴落したときに慌てず持ち続けられるかどうかは、そもそも自分がどれくらいのリスクに耐えられるかにもよります。 👉 枕を高くして眠れていますか?リスク許容度を知れば投資は怖くなくなる
繰り上げ返済とNISA、どちらを優先すべきかについては、以前にも我が家なりの考え方をまとめた記事があります。今回の3つの物差しと合わせて読んでいただくと、判断材料がもう少し増えると思います。
我が家が「急いで繰り上げ返済はしない」という結論に至った、当時の考え方です。 👉 住宅ローンは繰り上げ返済すべき?それともNISA?【変動金利・我が家の結論】
わが家の実例|4,800万円のフルローンが1.2%になるまで
ここからは、我が家の実際の数字です。数字はできる限り正直に出します。
私は40歳で家を買いました。頭金はゼロ、フルローンで4,800万円、変動金利です。
団信(だんしん)=ローンを借りた人が亡くなったときに、残りを保険で返してくれる仕組みです。
借りたときの金利は0.975%でした。これは団信0.3%を含んだ、全部込みの数字です。団信の分だけ別に払っているわけではありません。
その後、手元に少しまとまったお金ができたタイミングで、一度だけ300万円の繰り上げ返済をしました。そのとき頭に浮かんだのが「借金の返済は最大の投資なり」という言葉です。誰が言い出したのかは知りませんが、そういう言葉があるらしいと知って、妙に腑に落ちました。利息を減らすことも、資産を増やすことも、家計を守るという意味では同じ方向を向いている気がしたからです。
繰り上げ返済をした当時の金利は0.975%でした。この300万円にかかるはずだった年0.975%分の利息は、繰り上げ返済によって、もう二度と払わずに済むことが確定しました。投資と違って、相場の上げ下げに左右されない。ここが繰り上げ返済の強みだと感じています。中学生にも分かるたとえで言うと、300万円を年0.975%で確実に増やすのと、300万円にかかる利息を年0.975%だけ確実に減らすのとでは、財布から見ればお金が動く方向は同じ、というイメージです。
なお、住宅ローン控除が効いている期間は、繰り上げ返済で残高を早く減らすほど、控除される金額も減ります。
さらにその後、別の銀行から借り換え(今のローンを一度完済して、別の銀行で新しく借り直すこと)の提案があり、金利は0.6%でした。この話を今借りている銀行に伝えたところ、銀行から0.025%の引き下げという逆提案がありました。借り換えには手数料などの諸費用もかかるため、諸費用まで含めて比べると、実はトータルのコストはどちらでもほとんど変わらない計算になりました。結局、私は借り換えをせず、今の銀行に残ることを選びました。この結果、金利は0.95%になりました。
その後、市場の金利が上昇したことを受けて、私のローンの金利も0.25%上がり、今は1.2%になっています。
流れをまとめると、こうなります。
0.975%(団信0.3%込み)→(借り換え交渉で0.025%引き下げ)→0.95%→(金利上昇で0.25%)→1.2%
私のローンにも、さきほど説明した5年ルールと125%ルールが適用されています。だから金利が上がっても、毎月の返済額がいきなり跳ね上がるようなことは、今のところ起きていません。
今回の実例からひとつだけ学んだことがあるとすれば、「実際に借り換えなくても、他行の見積もりを持っていくだけで交渉になることがある」という点です。これは我が家がたまたまそうだった、という一例にすぎませんが、知っておいて損はないと思います。
家を買ったときの経緯や、当時の家計の状況は、以前の記事に詳しく書いています。
40歳・世帯年収500万円でフルローン4,800万円を借りたときの、正直な経緯です。 👉 40歳・世帯年収500万で都内一軒家を買った話【フルローン4,800万の現実】
いま振り返って思うこと
ここからは、あくまで私個人の感想です。一般化できる話ではないと、先にお断りしておきます。
金利が0.975%から1.2%まで上がった今でも、40歳で家を買ったこと自体は、正解だったと感じています。金利が上がったとはいえ、もし最初から固定金利を選んでいたらと考えると、今でも変動金利の方が安く済んでいる、というのが私の実感です。
それに、当時と比べて土地や物件の価格もかなり上がりました。もし今、同じ家を買おうとしたら、当時よりずっと大変だっただろうとも思います。
投資については、別の苦い経験があります。リーマンショックのときに個別株を持っていて、評価額が半分になったことがあります。あのときはパニックになって売ってしまい、しばらく相場から離れました。投資を再開したのは40歳のときです。だからこそ、今は「増えるかどうか」だけでなく、「暴落したときに自分がどう動くか」も含めて考えるようにしています。
家計全体を「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」という5つの視点で見直したくなったとき、私が読み直したのが両@リベ大学長の『本当の自由を手に入れる お金の大学』改訂版でした。新NISAに合わせて数字や制度の説明が新しくなっています。
📕 改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学
両@リベ大学長/朝日新聞出版/2024年11月発売。新NISAや制度の変更をふまえて、内容と数字が新しくなった改訂版です。
改訂版 お金の大学を楽天ブックスで見る →繰り上げ返済も投資も、正解は一つではないと思います。私の場合はこうだった、というだけの話です。
まとめ
最後に、今日の内容を整理します。
- 2026年9月、メガバンクが変動金利を0.25%引き上げ、10年国債の利回りも一時30年ぶりの水準になりました
- 5年ルールがあると毎月の返済額は変わらないので金利上昇に気づきにくいですが、返済額の中身(元金と利息の割合)は変わっています
- 繰り上げ返済かNISA継続かを考えるときの物差しは、①ローン金利と期待リターンの差 ②住宅ローン控除の期間内かどうか ③手元の現金を減らしすぎていないか、の3つです
- 我が家は0.975%(団信0.3%込み)から始まり、300万円の繰り上げ返済、借り換え交渉での0.025%引き下げを経て、今は1.2%です
- これは我が家の結果論であり、誰にでも当てはまる答えではありません
繰り上げ返済もNISAの積立も、どちらも「これが正解」と言い切れるものではないと感じています。だからこそ、自分のローン金利、控除の状況、手元の現金、この3つを一度並べてみることから始めてみてはどうでしょうか。
最終的な判断は、借入先の金融機関や専門家に確認のうえ、行ってください。
💡 SBI証券|NISA口座開設(無料)
投資信託の取扱本数は業界最大級。オルカンもS&P500もeMAXIS Slim・SBI・Vシリーズで揃います。口座開設・維持費は無料。
SBI証券の公式サイトはこちら →楽天証券|NISA口座開設(無料)
わが家はSBI証券を使っていて楽天証券は利用していませんが、楽天カードで積み立てるとポイントが付くしくみがあり、楽天経済圏をよく使う方には候補になります。
楽天証券の公式サイトはこちら →※本記事は住宅ローンの返済方針や投資判断を推奨するものではありません。金利の動向や投資のリターンについて将来を予測するものでもありません。住宅ローンの繰り上げ返済・借り換え・NISA等の投資判断は、それぞれのご家庭の状況により異なります。投資は元本が保証されるものではなく、損失が出る可能性もあります。最終的な判断は、借入先の金融機関や専門家に確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き