児童手当は貯金かNISAか。総額234万円をどう扱うか、我が家の実際
児童手当、毎月の金額だけ見ると「これくらいなら生活費に混ざってしまっても気づかない」という金額かもしれません。
ただ、総額で見ると印象が変わります。第1子・第2子の場合、0歳から高校生年代の終わりまで受け取ると、
15,000円 × 36か月(0〜3歳未満)+ 10,000円 × 180か月(3歳〜18歳年度末)= 234万円
になります(こども家庭庁公表の支給額をもとに算出。第3子以降は月30,000円のため、さらに大きくなります)。なお、実際の受給総額はお子さんの誕生月によって前後します。教育費の中でも、決して小さくない柱になる規模です。
この記事では、貯金かNISAかという選択と、我が家が実際にやってみて分かった「続け方」の工夫まで、正直に書きます。
まず前提として
児童手当をすでに生活費の一部に充てているなら、無理に投資や貯蓄に回す必要はありません。ここが一番大事な前提です。
日々の生活が優先で、児童手当がなければ家計が回らないという状況なら、まず生活を安定させることが先です。これから書く内容は、児童手当を生活費以外に振り分ける余裕がある場合の話として読んでください。
児童手当、実際は何に使われているのか
児童手当の使い道について、正式な統計を探しましたが、こども家庭庁・内閣府の一次資料の中で、数値を明確に確認できるものは見つけられませんでした(複数の民間サイトで「貯蓄目的が多い」という趣旨の紹介はありますが、一次資料に直接あたって数値を確認することができなかったため、本記事では具体的な割合は使いません)。
はっきり言えるのは、児童手当は毎月の生活費と同じ口座に振り込まれることが多く、意識して分けておかないと生活費に紛れやすいお金だということです。「気づいたら何に使ったか分からなくなっていた」という感覚を持つ方は、少なくないと思います。
「貯金」を真面目に考える
まず、貯金という選択肢を真面目に考えてみます。
金額が確定するので、学費の計画が立てやすい。 貯金の最大の強みはここです。「このペースで貯めれば、この時期にこれだけ用意できる」という見通しが、ほぼそのまま実現します。値動きによる上振れ・下振れがないので、学費のように「使う時期と金額がほぼ決まっている資金」との相性は良いといえます。
元本が減らない。 投資と違って、途中で評価額が下がるということが基本的にありません。使う時期が近づいたときに「今は含み損だから売りたくない」という悩みが発生しないのは、精神的に大きな違いです。
そしてもう一つ、見落とされがちな観点があります。増やすことより先に、「使わない仕組みを作る」ことの方が重要ではないか、ということです。 児童手当をNISAに回すかどうか以前に、生活費の口座と別にしておくだけで、意識せず使ってしまうことを防げます。別口座に分けるという、それだけの工夫にも十分意味があると思います。
もちろん、弱点もあります。物価が上がった場合、額面の金額は変わらなくても、実質的に買えるものの量は目減りする可能性があります。何年も先に使うお金を現金のまま置いておくことには、この目減りのリスクが伴います。
「NISA」を考える:受け取る時期によって、運用できる期間が違う
次に、NISAに回す場合の論点を考えます。
児童手当は、子どもが生まれてから長い期間にわたって少しずつ受け取ります。一方で、多くの家庭にとって「まとまってお金が必要になる時期」は、大学入学の前後でほぼ固定されています。
つまり、児童手当は「受け取るたびに、その分を運用できる期間が短くなっていく」という性質を持っています。生まれてすぐに受け取った分は、大学入学までの期間をまるまる運用に充てられますが、後半になって受け取る分は、同じ「児童手当」という名前のお金でも、運用できる期間がどうしても短くなります。最初の方に受け取った分と、最後の方に受け取った分は、もう別物として扱った方がいいのかもしれません。
期間が短くなると、値動きの影響も受けやすくなります。実際に、同じインデックスでも保有期間によって結果がどう変わるかを過去データで検証した記事があるので、気になる方はこちらもどうぞ。
実際にやってみて分かったこと
ここまでは一般論です。ここからは、我が家が実際にやってみて分かったことを書きます。
まず前提として、児童手当はそもそも「毎月」入ってきません。偶数月に、前月までの2か月分がまとまって振り込まれる仕組みです。「毎月コツコツ積み立てる」という発想と、そもそも入金の形が合っていません。
入金のたびに買付操作をするという方法も考えましたが、正直、その手間が続けられる自信がありませんでした。そこで我が家は、児童手当は使わずにいったん貯めておき、ある程度まとまった時点でNISAに入れる、という形にしています。
理屈のうえでは、入金のたびにすぐ投資した方が、運用できる期間は長く取れます。それでも、続けられなければ意味がないというのが我が家の結論です。最適な方法よりも、続けられる方法を選ぶ。これが、実際にやってみて一番強く感じたことです。
まとめて入れるか、少しずつ均して入れるかについては、実データで検証した記事を別に書いています。
手間を減らす工夫としては、クレジットカードでの積立設定を自動化しておく、入金用の口座をシンプルにしておく、といったことをしています。
※児童手当の振込口座については、自治体によって指定や条件がある場合があります。振込先の口座を自由に変更できるかどうかは、お住まいの自治体の案内をご確認ください。
出口をどう考えるか
もう一つ大事なのが、使う時期が近づいたときの「出口」の扱いです。
大学入学のタイミングで、それまで積み立てた分を一括で売ってしまうと、本来は大学4年間かけて少しずつ使うはずのお金まで、その時点で運用をやめてしまうことになります。実際にその年に必要になるのは、通っている1年分の学費だけです。その分だけを取り崩せば、残りは引き続き運用を続けられます。
ただし、これには考慮しておくべきリスクもあります。運用を続けている間に、相場が大きく下がる(暴落する)ことも当然あり得ます。「必要な分だけ取り崩して残りは運用を続ける」というやり方は、裏を返せば、後になって必要になる分がその時点の相場次第で目減りするリスクを抱え続けるということでもあります。一括で売ってしまえば、少なくともその時点の金額は確定します。
こうしたリスクを踏まえたうえで、我が家は、大学入学時に一括で売ることはせず、1年ごとに必要な時に必要な額だけを取り崩す方針にしています。児童手当のうち、早く受け取った分(運用期間が長い分)と、遅く受け取った分(運用期間が短い分)を、同じタイミングで一律に扱わないようにする、という考え方でもあります。
取り崩す順番も決めています。まずジュニアNISA分から検討し、それでも足りない場合に、児童手当分として積み立てていた成長投資枠から取り崩す、という順番です。学費の本体を担っているジュニアNISAを優先し、児童手当分はあくまで後ろ盾として位置づけている形です。
我が家の方針
我が家は現在、夫婦それぞれの口座を合わせて月1万円(子ども1人あたり5千円)を積み立てています。これに加えて、児童手当は使わずに貯めておき、ある程度まとまった時点でNISAに入れる、という形にしています。
そのまま他の積立と一緒くたにすると、どこまでが児童手当分か分からなくなってしまいます。そこで、別の銘柄を使うか、あるいは同じ銘柄でも成長投資枠を使うなどして、児童手当分だと分かるように区別する工夫を検討しています。
学費の本体部分は、児童手当とは別に、ジュニアNISA(2023年で新規受付を終了した制度)と現金で準備しています。もし不足が出た場合は、児童手当分ではなく、このジュニアNISA分から迷わず充当する方針です。
なお、学資保険は契約していません。iDeCoも、住宅ローン控除との重複を理由に見送っています。
投資の経歴としては、リーマンショックの時期に個別株で失敗して一度退場し、40代になってからインデックス積立で再起しました(投資歴8年)。今の積立方針は、その反省をふまえたものです。
ジュニアNISAを持っている方への補足
ジュニアNISAは2023年で新規の受付を終了しているため、これから開設することはできません。
すでにジュニアNISAで運用している方向けに、非課税期間の扱いを簡単に触れておきます。
非課税期間は、1月1日時点で18歳である年の前年12月31日まで続きます。その後は課税口座(特定口座または一般口座)へ払い出されますが、このとき、払い出された時点の価額が新たな取得価額になります。つまり、それまでの値上がり分には課税されません。
注意点として、2024年以降のジュニアNISAは一部だけを払い出すことができません。18歳になる前にまとまった資金が必要になった場合は、保有商品をすべて売却または課税口座へ移管し、口座そのものを閉鎖する必要があります。
教育費全体の準備方法について、もう少し詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。
まとめ
児童手当を貯金にするかNISAに回すか、一律の正解はありません。
判断の軸になるのは、「そのお金を使う時期が決まっているかどうか」だと思っています。子どもが小さいうちに受け取る分は運用できる期間が長く取れますが、大きくなってから受け取る分は短くなります。この違いを踏まえたうえで、生活費を優先しつつ、余裕がある範囲で考えてみてください。
我が家は児童手当をまとめてNISAに入れる方針ですが、これはあくまで我が家の場合です。子どもの年齢や家計の状況によって、答えは変わってくると思います。
💡 SBI証券|NISA口座開設(無料)
投資信託の取扱本数は業界最大級。オルカンもS&P500もeMAXIS Slim・SBI・Vシリーズで揃います。口座開設・維持費は無料。
SBI証券の公式サイトはこちら →※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資商品の購入や運用方針を推奨するものではありません。将来の運用成果を保証するものではなく、投資には元本割れのリスクがあります。制度の詳細は変更される可能性があるため、最新情報はこども家庭庁・各証券会社の公式サイトでご確認ください。
管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き