増えているのに眠れない。含み益が怖くなったときに考えたいこと
「下がって眠れない」という声はよく聞きます。でも、その反対もあります。「増えているのに、なんだか落ち着かない」。
利益が出ているのに、スマートフォンで評価額(まだ売っていないけれど、今売ったらこれだけ増えている、という金額)を1日に何度も見てしまう。減っているならまだ分かる。増えているのに、どうして気になるのか。
この記事は、その「増えているのに眠れない」という感覚だけを取り上げます。下がったときの不安とは、原因が別だからです。
「下がって眠れない」側の話は、別の記事に書いています。
あわせて読みたい 「もう含み損が出て不安で眠れない」という方はこちら。過去の下落がどう戻ってきたかを実体験で書いています。 👉 NISAで含み損が出たら売るべき?【結論:売らなくていい理由を実体験で語る】
その感覚は、気のせいではない
先に結論を書きます。増えているときに落ち着かないのは、正しい反応です。あなたの心が弱いからではありません。
下がったときと上がったときでは、こわさの中身が逆になっています。
言葉をひとつだけ整理します。ここでは「全財産のうち、どれだけが値動きするものに入っているか」という割合を使います。たとえば全財産300万円のうち150万円が投資なら、割合は半分です。
下がったとき。投資したお金は減ります。でも、同時に「値動きするものに入っている割合」も小さくなります。全財産が減り、そのうち投資の部分がもっと減るからです。こわさは増すのに、実際に抱えているリスクの量は、むしろ小さくなっています。
上がったとき。投資したお金は増えます。すると、「値動きするものに入っている割合」も大きくなります。全財産のうち、投資の部分がふくらむからです。つまり、本当にリスクの量が増えています。だから落ち着かないのは、体が正しく反応しているだけです。
数字でいうと、こういうことです。最初は半分だった投資の割合が、値上がりのあとには6割、7割になっていることがある。自分では何もしていないのに、いつのまにか、です。
【図1】同じ人の資産が、下がったときと上がったときでどう変わるか
先に結論。増えると、値動きする部分の「割合」も一緒に増えます。金額だけの話ではありません。
※分かりやすくするための仮の数字です。実際の値動きを示すものではありません。
体重計にたとえてみます。総体重は増えた。でも、増えた分のほとんどが一か所についていた。数字(総体重)だけ見ていると気づかないけれど、中身の比率は変わっている。資産も同じで、合計額だけ見ていると、投資の割合が上がったことに気づきにくいのです。
「金額が多すぎた」のではなく「はみ出した」
先に結論。最初は自分に合っていた金額でも、増えたあとには合わなくなっていることがあります。
土台になる記事に「枕元テスト」という問いかけがあります。「この金額が半分になっても、ぐっすり眠れるか」と自分に聞くものです。
問題は、多くの人がこのテストを一度しかやらないことです。始めるときにやって、それで終わり。でも、金額は増えていきます。100万円で「半分になっても平気」と思えた人が、300万円になったときも同じように思えるとはかぎりません。
だから、増えたあとに、増えた金額でもう一度やり直す必要があります。テストのやり方そのものは、その記事にあります。ここでは繰り返しません。
あわせて読みたい 「枕元テスト」の手順と、リスク許容度の考え方は、この記事の中にあります。 👉 枕を高くして眠れていますか?リスク許容度を知れば投資は怖くなくなる
上がっているときの方が、実はかんたんに降りてしまう
先に結論。人は、暴落のときよりも、好調なときの方が、あっさり投資をやめてしまいます。
下がっているときに売ると、損が確定します。「ここで売ったら負けを認めることになる」と感じて、人はためらいます。
上がっているときに売ると、利益が出ます。増えた分を、実際に売って自分のお金にすること。これを「利益確定」といいます。気持ちがいいので、ためらいがありません。ハードルがないのです。
だから、こわいのは暴落だけではありません。むしろ「調子がいいうちに、いったん降りておこう」という静かな気持ちの方が、実際の行動につながりやすい。
私自身のことを書きます。私は40歳になる前に、一度相場から完全に降りています。そのあと40歳で積立を再開して、投資歴はいまおよそ8年です。再開する前には、ひふみプラスという投資信託を買って、あとで売却した経験もあります。
一度降りたとき、その理由は「下がってこわかったから」だけではありませんでした。
降りたあとに待っているもの
先に結論。売るのは一瞬ですが、そのあとには、思っていなかったことがいくつか待っています。
ひとつめ。「下がったら買い戻そう」と思っていても、実際に下がると、今度はこわくて買えません。上がっているときに感じた「かんたんさ」は、下がった局面には戻ってきません。
ふたつめ。NISA(税金がかからずに投資できる、一人ひとりに決められた上限額の制度)で売った場合、そのとき使っていた枠がまた使えるようになるのは、翌年です。売ったその日に、同じ枠ですぐ買い直すことはできません。
みっつめ。NISA以外の口座で売った場合は、増えた分に税金がかかります。手元に残るのは、画面に出ていた金額そのままではありません。
あわせて読みたい NISAの枠が「いつ」「いくら分」戻るのかは、この記事で図にしています。 👉 NISAは売っても枠が復活|買った値段・翌年・年間枠の3ルール図解
では、どうするか
先に結論。「全部売る」と「何もしない」の間に、選択肢があります。まず、それを知っておくだけで十分です。
土台の記事では、下がって眠れないときの答えとして「積立額を減らす」「生活防衛費を厚くする」を挙げていました。上がって眠れないときは、少し違う整理になります。
ひとつ。「積立額を減らすこと」と「いま持っている分を売ること」は、まったく別の行動です。この2つはよく混ざります。落ち着かないからといって、いきなり持っている分に手をつける必要はありません。これから積み立てる金額だけを調整する、という選び方があります。
ふたつ。どうしても落ち着かないなら、増えすぎた部分だけを一部戻す、という考え方もあります。部屋の模様替えで、増えすぎた家具を最初の配置に少しだけ戻すようなイメージです。全部を動かす必要はありません。
ここでは「こういう選択肢がある」という話にとどめます。どれを選ぶべきかは、人によって違います。具体的な割合や金額の目安は、この記事では書きません。
まとめ
増えて落ち着かないのは、弱さではありません。値動きするものに入っている割合が本当に増えているので、体が正しく反応しているだけです。
- 下がったときはリスクの量がむしろ減り、上がったときは本当に増える
- 最初に合っていた金額でも、増えたあとには「はみ出す」ことがある
- 人は暴落のときより、好調なときの方があっさり降りてしまう
- 降りたあとは「買い戻せない」「NISA枠は翌年」「課税」が待っている
- 「積立額を減らす」ことと「持っている分を売る」ことは、別の行動
その反応にどう応えるかは、選べます。まずは、評価額を見る回数を「1日に何度も」から「1日1回」に減らすだけでも、眠りは変わります。
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管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き