円高で評価額が減った。積立額は変えるべきか
2026年8月上旬、積立中の投資信託の評価額を確認して、「思っていたより減っている」と感じた方がいました。2026年7月30日には日本単独での円買い介入が、翌2026年7月31日には日米協調による為替介入が実施され(協調介入は2011年以来でした)、2026年8月3日には円が一時155円台まで買われる場面もありました。この間、日経平均株価は2026年8月3日に前日比0.94%下落し、同日の米国市場ではS&P500種株価指数が前日比+1.48%上昇していました。
投資信託の基準価額が株価と為替の両方で動く仕組みについては、以前別の記事で詳しく整理しました。この記事では仕組みの説明は繰り返さず、評価額が減ったときに「積立額をどうするか」という判断そのものについて考えてみます。
なお、円安局面での積立の考え方は、こちらの記事で整理しています。
結論:積立額を決める材料は為替ではない
先に結論からお伝えすると、積立額を決める材料として為替を使うのは、あまり向いていないのではないかと感じています。
理由はシンプルです。為替は自分の意思で動かせるものではなく、いつどちらの方向に動くかも、事前にはわかりません。動かせないもの、読めないものを判断基準にしてしまうと、為替が反対方向に動くたびに判断がぶれやすくなります。
だからといって、「為替を気にしないほうがいい」という話ではありません。積立額を決めるなら、為替よりも自分でコントロールできる材料を基準にしたほうが、判断がぶれにくいのではないか、というだけの話です。
では何を基準に決めるのか
積立額を考えるときに、材料にしている軸は次の3つです。
生活防衛資金が確保できているか
病気や失業など、いざというときのために取っておく現金(生活防衛資金)が確保できているかどうか。確保できていれば、評価額の増減にかかわらず積立を続けやすくなります。確保できていない場合は、積立額よりも先に、この部分を優先して考える方もいます。
収入が安定しているか
収入がボーナスに大きく依存していないかどうかも材料になります。毎月の収入だけで積立額を無理なく続けられるなら、評価額の増減で積立額を見直す必要は薄れます。ボーナス頼みの積立額になっている場合は、ボーナスの支給が変動したときにどうするかを、あらかじめ考えておくと迷いにくいかもしれません。
取り崩しまでの年数がどれくらいあるか
積み立てたお金を取り崩す予定の時期までの年数も材料になります。年数が長く残っている場合と、短い場合とでは、評価額の変動をどう受け止めるかの考え方が変わってきます。この点は後の章で詳しく触れます。
「評価額」と「積立」は別の話
評価額が減ったのは、すでに持っている分の話です。これから積み立てる分とは、切り分けて考えると判断しやすくなるかもしれません。
この2つを1つの判断に混ぜてしまうと、「評価額が減っているから積立額も減らそう」というように、話が混同しやすくなります。評価額の増減と、これから毎月いくら積み立てるかは、本来別々に決められる話です。
すでに持っている分の含み損をどう考えるかについては、以前別の記事でも整理しました。
積立の手を止めたくなったときに、確認したいこと
評価額が減ると、積立の手を止めたくなることもあると思います。私自身は、そう感じたときに次の項目を確認するようにしています。
- 積立を止めたい理由は、相場の動きか、それとも家計の事情か
- 止めた場合、いつ再開するかを決めているか
- 過去に積立を止めた経験があれば、そのときどうなったか
- 止めることで、生活防衛資金や収入の状況は変わるか
これらは「止めないほうがいい」という話ではありません。止める・続けるを判断する前に、自分の状況を整理するための材料として使っています。
取り崩しが近い人が考慮したいこと
取り崩しまでの年数が短い場合、たとえば50代後半以降で取り崩しの時期が近づいている場合は、為替や株価の変動を吸収できる年数が限られてくるという事実があります。
年数が十分に残っている場合は、評価額が一時的に減っても、時間をかけて調整できる余地が大きくなります。一方で、取り崩しまでの年数が短い場合は、その余地が小さくなります。資産の配分をどうするかはここでは触れませんが、取り崩しまでの年数によって、考慮する材料が変わってくる、という点だけお伝えしておきます。
マシマシおやじの実体験
私自身、投資を始めて投資歴8年になります。最初はリーマンショックのときに個別株で損失を出し、一度市場から退場した経験があります。そこから、インデックス投資の積立に切り替えました。トランプショックの局面では、新NISAの枠に一括投資を行いました。
旧つみたてNISAの分は、評価額が約290万円、含み益は約180万円になっています。このお金は2040年代の満期まで保有する方針にしています。
一度市場から退場した経験があるからこそ、積立を止めるかどうかの判断は慎重に考えるようにしています。
よくある質問
Q. 円高のときに積立額を増やしてもよいか A. 増やすかどうかは、家計の状況次第です。為替が円高だからという理由だけで増減を決めると、為替が反対方向に動いたときに迷いやすくなります。増やす場合は、生活防衛資金や収入の安定度を確認したうえで判断する人もいます。
Q. 一度止めて様子を見るのはどうか A. 一度止めることも選択肢の一つですが、止めた後にいつ再開するかを決めていないと、再開のタイミングを見失いやすくなります。止める理由が相場なのか、家計の事情なのかを整理しておくと、後から判断しやすくなります。
Q. 為替ヘッジありに乗り換えるべきか A. 一概には言えません。為替ヘッジありは為替変動の影響を抑えられる代わりにコストがかかります。乗り換えを検討する場合は、仕組みの違いを理解したうえで、判断する材料の一つとして考えるとよいでしょう。
Q. 毎月の金額はどうやって決めればよいか A. 為替や株価の動きではなく、生活防衛資金が確保できているか、収入が安定しているか、取り崩しまでの年数がどれくらいあるかといった、家計側の条件をもとに決める考え方があります。
まとめ
評価額が減ると、積立額を変えたくなることもあると思います。でも、為替は自分で動かせず、いつどちらに動くかもわからないため、判断の材料としては使いにくい面があります。
積立額を決めるなら、生活防衛資金・収入の安定性・取り崩しまでの年数といった、家計側の材料を基準にする考え方もあります。評価額とこれからの積立は別の話として切り分けると、判断しやすくなるかもしれません。投資は自己責任です。この記事が、積立額を考えるときの整理に役立てばうれしいです。
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資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き