【2026年7月】相場振り返り|日経平均64,362円・骨太ショック・40年ぶり円安・NISA積立投資家向け
毎月恒例の相場振り返りです。
7月は「日経平均が急落した」「ドル円や長期金利が大きく動いた」「国の予算方針をきっかけに市場が揺れた」——指数だけでなく、為替・金利・国内外のニュースまで盛りだくさんな1ヶ月でした。難しい話は抜きにして、NISAでコツコツ積み立てている方向けに読みやすくお届けします。
7月のひとことまとめ
先に結論からお伝えすると、7月は日経平均だけが大きく下げ、TOPIXやS&P500はほぼ横ばいだった月でした。AI・半導体関連株への警戒感が強まり、それらの銘柄の比重が大きい日経平均に下げが集中した形です。
くわえて、政府の予算方針を巡って国債(国の借金の証書)が売られる場面や、為替が短期間で数円動く場面もあり、指数以外の値動きも大きかった月でした。
「株価指数が下がった=積立をやめたほうがいい」ということには直結しないと考えています。理由は後ほど順番にお伝えします。
主要指数の月間騰落
6月末の終値を基準に、7月末までの騰落率をまとめました。
| 指数 | 6月末終値 | 7月末終値 | 月間騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均株価 | 70,062.32円 | 64,362.02円 | -8.1% |
| TOPIX | 3,994.76pt | 4,003.30pt | +0.2% |
| S&P500 | 7,499.36pt | 7,489.72pt | -0.1% |
| NASDAQ総合 | 26,213.72pt | 25,373.85pt | -3.2% |
| 全世界株式(ACWI)※ | 156.97ドル | 156.43ドル | -0.3% |
※全世界株式は、値動きの目安としてiShares MSCI ACWI ETF(ティッカー:ACWI、米ドル建て)の価格を使用しています。
同じ「株価指数」でも、日経平均とそれ以外でこれだけ差が出た月でした。TOPIXは日経平均よりも構成銘柄の業種が幅広く、特定の値がさ株(株価水準が高く指数への影響が大きい銘柄)の影響を受けにくい性質があります。日経平均に対するTOPIXの相対的な強さを示す「NT倍率」(日経平均÷TOPIX)は、6月末の約17.5倍から7月末には約16.1倍まで縮小しました。
為替(ドル円)と長期金利の動き
ドル円
- 6月末:162.61円
- 7月末:159.16円(月間で約2.1%の円高方向)
月末の終値だけを見ると円高に見えますが、月の途中では円安が大きく進む場面が複数ありました。
7月上旬には、政府が6月30日に示した「骨太の方針」(来年度予算の大枠となる財政・経済運営の基本方針をまとめた政府文書)の原案が、財政拡大や日銀への配慮を求める内容と受け止められ、国債が売られる場面がありました(市場では「骨太ショック」と呼ばれています)。この影響もあり、7月7日にはドル円が162円台まで円安が進みました。
さらに7月21〜22日には、中東情勢の緊迫を背景にした「有事のドル買い」の動きから、ドル円は一時163円台(1986年12月以来、39年7ヶ月ぶりの円安水準)まで下落しました。
その後、7月30日には米国の経済指標(GDP速報値・物価指数)が市場予想を下回る伸びにとどまったことと、為替介入観測が重なり、ドル円は163円台から一時157円台後半まで急落しました。月末は159円台で着地しています。
長期金利(10年国債利回り)
| 国 | 6月末 | 7月末 |
|---|---|---|
| 米国 | 約4.4% | 約4.8% |
| 日本 | 約2.7% | 約2.8% |
米国・日本ともに、月を通じて金利は上昇(債券価格は下落)方向で推移しました。
日本の長期金利は、前述の「骨太ショック」の影響で7月3日に一時2.81%まで上昇し、約30年ぶりの高水準をつける場面がありました。その後、7月10日に財務相がGPIF(年金積立金を運用する公的機関)などの年金基金に国内資産への投資を促す考えを示したことをきっかけに、円や株が買われ、超長期の国債を中心に金利が低下する場面もありました。ただし、この方針が実際に実現するかどうかは市場でも見方が分かれています。
日本の経済指標まとめ
株価や為替とあわせて、実際の景気を示す指標も確認しておきます。
① 月例経済報告(政府の公式見解)
月例経済報告とは、日本政府が毎月出す景気の公式見解です。
「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある」
5ヶ月連続で同じ文言が維持されました。個人消費は「持ち直しの動きがみられる」、設備投資は「持ち直している」と、こちらも据え置きです。
② 景気動向指数(5月分)
生産・雇用・金融など景気に敏感な指標をまとめて算出する指標です。
- 先行指数:116.8(前月比+0.7、12ヶ月連続上昇)
- 一致指数:118.5(前月比+0.4、3ヶ月連続上昇)
先行指数は1年以上にわたって上昇が続いており、基調判断は「改善」が維持されています。
③ 景気ウォッチャー調査(6月分)
コンビニ店員・タクシー運転手など、景気に敏感な職種へのアンケートです。「街角景気」とも呼ばれます。
- 現状判断DI:44.0(前月比+0.4、2ヶ月連続上昇)
50を下回っているため、現場感覚では「まだ厳しい」という人が多い水準ですが、判断は「持ち直しの兆し」へと上方修正されました。
④ 消費者物価指数(コアCPI)
コアCPI(生鮮食品を除いた物価指数)は、6月は前年同月比+1.6%で、日銀目標の2%を5ヶ月連続で下回りました。
一方で気になるのが企業物価指数(企業どうしの取引価格)です。6月は前年同月比+7.1%と、3年3ヶ月ぶりの高水準でした。非鉄金属や原油・ナフサ価格の上昇が主因です。企業間の価格上昇は、いずれ消費者向けの値段にも波及しうるため、物価は引き続き油断できません。
⑤ 実質賃金指数(5月分)
実質賃金とは、給料から物価の上昇分を差し引いた「実際に使えるお金が増えているか」を示す指標です。
- 実質賃金:前年同月比+1.4%(5ヶ月連続プラス)
- 現金給与総額:+3.2%(4ヶ月連続で3%超、約34年ぶりの高い伸び)
物価の上昇を上回るペースで賃金が増えている状態が続いています。
⑥ 雇用環境(6月分)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 完全失業率 | 2.5%(前月比横ばい) |
| 有効求人倍率 | 1.18倍(4ヶ月ぶり上昇) |
半導体関連の製造業や人材派遣業で求人が増えたことが、有効求人倍率の上昇を後押ししました。求人倍率が1倍を超えており、雇用環境自体は引き続き悪くありません。
日本の経済指標まとめ: 政府の公式見解・景気動向指数・雇用環境はいずれも底堅く、実質賃金もプラスが続いています。一方で街角の実感(景気ウォッチャー調査)はまだ本調子ではなく、企業間の物価は原油高で上昇しています。「悪くはないが、力強い実感には乏しい」というのが7月時点の日本経済の姿です。
7月に起きた主なトピック
事実として確認できた出来事を、解釈を交えずに並べます。為替・金利に関わる「骨太ショック」「40年ぶり円安」は前述の通りのため、ここではそれ以外の出来事をまとめます。
① AI・半導体関連株が急落、SOX指数は弱気相場入り 7月17日、日経平均は前日比2,694円安(-4.0%)となり、終値は64,141円と一時6万5,000円を割り込みました。月間ではキオクシアホールディングスが48%安となるなど、個別の半導体関連銘柄でも大きな下げが見られました。米国でもフィラデルフィア半導体株指数(SOX、半導体関連銘柄をまとめた指数)が6月末の高値から20%超下落し、一般に「弱気相場(高値から20%以上の下落)」とされる水準まで調整しました。AI関連投資への過熱感が意識され、利益確定売りが広がったことが背景です。
② 日銀、政策金利を据え置き 7月30〜31日に開催された日銀の金融政策決定会合で、政策金利は1.00%に据え置かれました。6月の会合で0.25%の利上げを決めたばかりで、その影響を見極める狙いです。中東情勢の緊迫による原油高で物価が上振れするリスクもあり、今後も利上げの方向性自体は維持される見通しとされています。
③ FOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利を据え置き 7月28〜29日に開催されたFOMCで、米国の政策金利は3.50〜3.75%に据え置かれました。一方で3名の地区連銀総裁が利上げを主張するなど、金融政策の方向性を巡る意見の違いが表面化しました。
④ 原油価格が上昇 中東情勢の緊迫(イエメンの武装組織によるサウジアラビア周辺での海上封鎖の表明など)を受けて、原油価格は上昇しました。WTI原油先物(米国の代表的な原油価格の指標)は7月20日時点で1バレル=83.23ドルと、6月中旬以来の高値をつけました。
⑤ 日経平均とTOPIXで明暗 日経平均が月間-8.1%と大きく下げた一方、TOPIXは+0.2%とほぼ横ばいで着地しました。半導体関連株の比重の違いが、そのまま両指数の差になった1ヶ月でした。
なお、市場心理を示す「Fear & Greed Index」(0〜100で市場の強欲・恐怖を数値化する指標)は7月末時点で約35と、「恐怖」ゾーンにありました。
ゴールド・債券ETF・高配当ETFの動き(米国)
分散投資の一部として保有されることが多い、金(ゴールド)・債券・高配当株ETFの7月の値動きも確認しておきます(※分配金は含まない価格ベースの騰落率)。
| ETF | 内容 | 6月末 | 7月末 | 月間騰落率 |
|---|---|---|---|---|
| GLD | ゴールド(金) | 368.38ドル | 371.54ドル | +0.9% |
| AGG | 米国総合債券(安全性高) | 98.98ドル | 97.37ドル | -1.6% |
| LQD | 投資適格社債(中リスク) | 109.07ドル | 106.25ドル | -2.6% |
| HYG | ハイイールド債券(高リスク) | 79.97ドル | 79.48ドル | -0.6% |
| HDV | 米国高配当株 | 27.41ドル | 28.73ドル | +4.8% |
| SPYD | 米国高配当株 | 47.71ドル | 49.50ドル | +3.8% |
| VYM | 米国高配当株 | 158.03ドル | 161.96ドル | +2.5% |
長期金利の上昇を受けて、債券ETF(AGG・LQD・HYG)はいずれも下落しました。金利が上がると、既発の債券は相対的に魅力が下がり、価格が下がりやすくなるためです。一方でゴールドはわずかにプラス、米国の高配当株ETF(HDV・SPYD・VYM)は軒並みS&P500(-0.1%)を上回るプラスとなりました。AI・半導体関連の値がさ株が売られた分、比較的値動きの穏やかな高配当株に資金が向かった可能性があります。
マシマシおやじの実体験
指数によって明暗が分かれる月は、これまでも何度か経験してきました。2025年のトランプショックのときは、評価額がマイナス100万円になったこともあります。
投資歴8年になりますが、こういうときに実感するのは、「どの指数が上がった・下がった」「金利や為替がどう動いた」を気にしすぎても、やることは結局変わらないということです。毎月の積立を淡々と続ける以外に、これといってやっていることはありません。
日経平均だけが大きく下げたと聞くと不安になる方もいるかもしれませんが、オルカンやS&P500に積み立てている場合、日経平均の下げがそのまま資産全体の下げに直結するわけではない、という点は知っておいて損はないと感じています。
積立投資家として、この月をどう受け止めるか
7月のように「一部の指数だけが大きく動いた月」「為替・金利のニュースが多い月」は、これまでも何度もありました。上がった月も下がった月も、積立投資家がやることは基本的に同じだと考えています。
毎月決めた金額を、決めたタイミングで積み立て続けること。 これは相場が良い月にも悪い月にも共通して言えることです。
日経平均が8%下げたと聞くと身構えてしまうかもしれませんが、逆にTOPIXやS&P500がほぼ横ばいだったこと、高配当株ETFがむしろプラスだったことを見ると、「今月は積立を止めるべきだった」とも「今月は買い増すべきだった」とも言い切れない、というのが正直なところです。相場が読めないからこそ、淡々と続ける仕組みに意味があると感じています。
もちろん、これは私個人の受け止め方であり、投資判断は自己責任です。ご自身の状況に合わせて検討していただければと思います。
よくある質問
Q1. 日経平均が8%も下がったのに、積立を止めなくていいのですか?
止める・止めないの判断は個人の状況によって異なるため、一概には言えません。ただ、今回はTOPIXやS&P500がほぼ横ばいだったように、日経平均の下げが資産全体の下げに直結するとは限らない点は知っておいてよいと思います。長期の積立方針は、単月の値動きだけで見直すものではないと考えています。
Q2. TOPIXは上がったのに、日経平均が下がったのはなぜですか?
日経平均はTOPIXに比べて、半導体関連など一部の値がさ株の影響を強く受ける構成になっています。7月はその半導体関連株が世界的に売られたため、日経平均への影響がより大きく出たと考えられます。
Q3. 円高になると、オルカンやS&P500の積立にはどんな影響がありますか?
オルカンやS&P500はドル建ての資産を多く含むため、円高が進むと円換算での評価額はその分下がりやすくなります。ただし、これは為替による評価額の変動であり、保有している口数(ファンドの持ち分)自体が減るわけではありません。
まとめ
7月をひと言でまとめると、「日経平均だけが目立って下げ、為替・金利のニュースも多かった月」でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日経平均(7/31) | 64,362.02円(月間-8.1%) |
| TOPIX(7/31) | 4,003.30pt(月間+0.2%) |
| S&P500(7/31) | 7,489.72pt(月間-0.1%) |
| ドル円 | 159.16円(月末、月中一時163円台=39年7ヶ月ぶり円安) |
| 日本の長期金利 | 月末約2.8%(月初7月3日に一時2.81%=約30年ぶり水準) |
| 半導体株指数(SOX) | 6月末高値から20%超下落(弱気相場入り) |
指数や為替・金利の動きが大きい月は珍しくありません。それでも、NISAでインデックス投資(オルカン・S&P500など)を積み立てている方がやることは、いつもと同じです。
「何が起きたかより、積立を止めなかったこと」——それが7月の振り返り方だと思っています。
来月どうなるかは誰にもわかりません。だからこそ、毎月一定額を積み立てて長期で持ち続けるスタイルが力を発揮すると考えています。
最新のわが家の資産公開はこちらに書きました。
NISAをまだ始めていない方はこちらも参考にどうぞ。
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管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き