貯めることより、使うことのほうが難しい|わが家が旅行費を厚く配分している理由
「貯める」と「使う」なら、貯めるほうが簡単でした。
わが家は積立を始めて8年になります。毎月決まった日に、決まった額が口座から引かれて、投資に回ります。一度その仕組みを作ってしまえば、あとは自動で進みます。相場が上がっても下がっても、手は止まりません。仕組みにした側の勝ちだな、と思っています。
ところが、貯めたお金を「使う」ほうは、いまだに毎回悩みます。いくらまでなら使っていいのか。それは今使うべきお金なのか。増やす側は自動化できたのに、減らす側は自動化できていません。判断のたびに、ゼロから考え直しています。
この記事は、その「使う」側の話です。わが家は、家族旅行にわりと厚くお金を配分しています。その理由を書いておきます。節約の記事でも、お得情報の記事でもありません。わが家はこうしている、というだけの話です。
子どもが寝ている間に出て、寝ている間に帰る
私の仕事は朝が早く、夜も遅めです。子どもが起きてくる前に家を出て、寝てしまったあとに帰ってきます。そして翌朝、また起きる前に出ていきます。これがもう何年も続いていて、自分の中では当たり前になっています。
その結果、平日の育児は、ほとんど妻に任せきりになっています。送り迎え、宿題、寝かしつけ。平日に私が関わる時間は、ほとんどありません。これは同情してほしくて書いているのではなく、単純にそういう生活だ、という事実です。
平日にまとまった時間を作るのは、今の働き方だと難しいです。どうしても、子どもとしっかり過ごせるのは、夏休みや春休みといった長い休みになります。
無理に働かなくてもいいかな、と思うようになってきた
ここ数年で、少し心境が変わってきました。
積立を続けてきて、資産が少しずつ増えてきました。まだ働くのをやめられる額ではありませんが、「この先ずっと今のペースで働き続けなくてもいいのかもしれない」と思える程度には積み上がってきました。お金のために時間を全部使う、という感覚が、以前より薄くなってきています。
同時に、子どもの成長をもっと見たい、という気持ちが強くなりました。平日にほとんど会えていない分、というより、単純に、一緒にいられる時間を増やしたいと思うようになりました。
とはいえ、時間を作れるのは、結局は長い休みのタイミングです。その限られた期間に、なるべく子どもと一緒にいたい。その選択肢として、旅行を選びました。家で過ごしてもいいのですが、旅行だと、否応なく一日中一緒にいることになります。逃げ場がないぶん、ちゃんと向き合える気がしています。
「思い出の配当金」という受け取り方
旅行に払うお金は、その時の一回きりです。宿代も、移動費も、払ったら終わりです。
でも、受け取るほうは一回では終わりません。旅行から帰ったあと、何年も経ってから、家族で「あの時あそこ行ったよね」「あの店の料理おいしかったよね」と話す時間が、何度もやってきます。写真を見返すたびに、その話になります。払うのは一度きりなのに、受け取るのは何年にもわたって、何度も。これが旅行という支出の性質だと思っています。
わが家は、これを「思い出の配当金」として受け取っている、と考えています。株の配当金のように、一度お金を出したあと、あとからずっと少しずつ返ってくる。旅行費は、消費というより、そういう受け取り方のできる支出だと感じています。
この「思い出の配当金」という言い方は、YouTubeの両学長(リベラルアーツ大学)がよく使われている言葉です。わが家のお金の考え方も、この人の発信から影響を受けています。
念のため書いておくと、これは呼び名を変えたら得した気分になる、という話ではありません。旅行費という支出そのものが、払うタイミングと受け取るタイミングがずれていて、受け取る側が長い。そういう構造の話です。
実際に、過去の家族旅行の記事を読み返すと、その時のことをかなり細かく思い出せます。
それでも、使える枠は先に決めておく
厚く配分している、と書きましたが、いくらでも使っている、という意味ではありません。
旅行費は、毎月「特別費」という枠で積み立てています。特別費は、いつか必ず出ていくと分かっているお金のための枠です。生活防衛資金(収入が止まったときのために生活を守るお金)とは別にして、目的別の口座に分けて置いています。旅行のためのお金は、旅行のためだけに貯まっていきます。
使っていい範囲は、旅行の前に決めてあります。もしその枠を超えそうになったら、投資に回している分を取り崩すのではなく、旅行の中身のほうを調整します。泊まる日数を減らす、宿のランクを下げる、行き先を近くにする。枠が先で、内容があとです。
同じ予算の中で少し良い体験をするために、ふるさと納税の宿泊クレジットや、貯まったポイントを使うこともあります。これは家計テクニックというより、決めた枠の中でやりくりするための工夫です。
「使う枠を先に決めて、その中で楽しむ」という考え方は、旅行にかぎった話ではありません。
一度使ってみて、思っていたほどではなかった、ということもあります。それも含めて、決めた範囲の中でならいい経験だと考えています。
おわりに
少し前に『DIE WITH ZERO』という、お金の使い方について書かれた本を読みました。
読んで思ったのは、「ゼロで死ぬ」を目標に掲げたいわけではない、ということでした。そこまで振り切る自信はありません。ただ、お金の使い道に順番をつけてもいいんだ、とは思えるようになりました。
わが家の場合、その順番の上のほうに、家族旅行があります。子どもが親と一緒に出かけてくれる時期は、たぶんそんなに長くは続きません。だからといって焦って予定を詰め込むわけでもなく、使える枠の中で、その時に行けるところに行く。それくらいの距離感で続けています。
貯めるほうは、これからも仕組みに任せます。使うほうは、これからも毎回悩むのだと思います。悩みながら、思い出の配当金を受け取り続けるつもりです。
※お金の使い方や家族との時間の作り方は人それぞれで、この記事はわが家の一例にすぎません。
管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き