NISAを始めたら年末調整・確定申告は必要?会社員が確認したい3つのポイント
「NISAを始めたけど、年末調整の書類に何か書くんだっけ」——秋になって年末調整の紙が配られるたびに、そんな不安がよぎる方もいるのではないでしょうか。
ネットで検索すると、Q&Aサイトなどで同じような質問をよく見かけます。ただ、回答は「何もしなくていい」のひと言で終わっているものも多く、例外や注意点までは触れられていないことが多いようです。この記事では、その「続き」の部分をまとめました。
この記事でわかる3つのポイントは、次のとおりです。
- 年末調整の書類に、NISAの利益を書く欄がない理由
- 確定申告が関係してくるのは、NISA以外のどの口座か
- 会社員が見落としやすい2つの落とし穴(配当の受け取り方と損益通算)
なお、配当金にかかる税金の詳しい仕組みは、この記事では深入りせず、後半で紹介する別記事に譲っています。
結論:NISA口座の中だけなら、年末調整も確定申告も基本的に不要
先に結論からお伝えすると、NISA口座の中で運用している分については、年末調整でも確定申告でも、基本的に何かを記入したり申告したりする必要はないとされています。NISA自体が「利益が出ても税金がかからない」しくみなので、そもそも申告する対象の利益が発生しない、というのが理由です。
ただし、「NISA口座の中だけなら」という条件がついている点がポイントです。特定口座や一般口座(通常、利益に税金がかかる口座のことです)も持っている方や、配当金の受け取り方の設定によっては、確認しておくとよい点がいくつかあります。以下で順番に見ていきます。
年末調整の書類に、NISAの利益を書く欄はない
年末調整で会社に提出する「扶養控除等申告書」や、配偶者控除を受けるための書類には、NISAで得た利益を書く欄はありません。
理由は、NISA口座での値上がり益や配当金・分配金が非課税所得(税金がかからないと決められている所得のことです)にあたり、年末調整で計算する「所得」そのものに含まれないとされているためです。
たとえば、配偶者がNISA口座で投資信託を運用していて含み益(まだ売っていない状態の、値上がり分の利益のことです)が出ていたとしても、配偶者控除の判定に使う所得の見積額には、その利益を足す必要はないとされています。売って利益が確定した場合でも、NISA口座内であれば所得には数えない、という整理です。
「年末調整の時期が近づいてきたけど、NISAのぶんも何か書かなきゃいけないのでは」と身構える必要はなさそうです。
確定申告が関係するのは、課税口座(特定口座・一般口座)の方
一方で、確定申告が話題になるのは、NISA口座ではなく、特定口座や一般口座といった「課税口座」で運用している分についてです。
証券口座を開くときに選ぶ特定口座には、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。源泉徴収あり(利益が出るたびに、証券会社が税金分を差し引いて納めてくれる仕組みです)を選んでいる場合は、原則として確定申告をしなくても手続きが完了するとされています。
反対に、源泉徴収なしの特定口座や、一般口座で利益が出た場合は、自分で確定申告をする必要が出てくる場合があります。
わが家の特定口座は源泉徴収ありに設定しているので、課税口座で出た利益についても、これまで確定申告はしていません。NISA口座と合わせて、申告の手間がかからない状態になっている、という状況です。
ここで一つ気になるのが、ふるさと納税との関係です。会社員の方の多くは、ふるさと納税の手続きをワンストップ特例(確定申告をしなくても控除が受けられる、給与所得者向けの簡易な申請方法です)で済ませていると思います。ですが、何らかの理由で確定申告をすることになると、このワンストップ特例は無効になり、寄付した分もまとめて確定申告書に書く必要が出てきます。NISAとは直接関係のない話ですが、「確定申告をするかどうか」を考えるときは、あわせて頭に入れておくとよいと思います。
個別の状況によって扱いが変わる部分でもあるため、詳しくは税務署や勤務先の担当者に確認しておくと安心です。
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改訂版 お金の大学を楽天ブックスで見る →落とし穴①:配当金の「受け取り方」を間違えると課税される
NISA口座で個別株やETF・REITを保有していて、配当金を受け取っている方は、もう一つ確認しておくとよいポイントがあります。それが、配当金の受け取り方の設定です。
配当金の受け取り方には、大きく分けて4つの種類があります。
| 受け取り方 | NISA口座での扱い |
|---|---|
| 株式数比例配分方式 | 非課税になる |
| 登録配当金受領口座方式 | 課税される |
| 配当金領収証方式 | 課税される |
| 個別銘柄指定方式 | 課税される |
NISA口座で配当金が非課税になるのは、このうち株式数比例配分方式(持っている株の数に応じて、証券口座の中でそのまま配当金を受け取る方式のことです)を選んでいる場合だけとされています。ほかの3つの方式では、NISA口座で買った株であっても、配当金に税金がかかってしまいます。なお、投資信託の分配金は、この受け取り方の設定に関係なくNISA口座内で非課税とされています。投資信託だけで運用している方は、この設定を気にする必要はありません。
私自身、この設定でつまずいた経験があります。メイン口座であるSBI証券で、配当の受け取り方が株式数比例配分方式ではなく、登録配当金受領口座方式になっていました。現在は株式数比例配分方式に変更しています。
この受け取り方の仕組みと、確認・変更の手順については、こちらの記事で詳しくまとめています。
落とし穴②:NISAで損をしても、確定申告で取り返すことはできない
「NISAで含み損を抱えたまま売ってしまったら、確定申告で税金を取り返せるのでは」と考える方もいるかもしれません。ですが、これは基本的にできないとされています。
課税口座(特定口座・一般口座)同士であれば、ある銘柄の損失を別の銘柄の利益と相殺する損益通算や、相殺しきれなかった損失を翌年以降に持ち越す繰越控除という仕組みが用意されています。
ところが、NISA口座で出た損失は、この損益通算にも繰越控除にも使うことができないとされています。NISA口座はそもそも利益が出ても税金がかからない制度なので、税金の計算そのものに関わってこない、という整理です。裏を返すと、損失も税金の計算には反映されない、ということになります。
あわせて知っておきたいのが、外国株や海外ETF(上場している投資信託のことです)の配当金についてです。NISA口座で保有していても、外国税額控除(外国で差し引かれた税金の一部を、日本の税金から差し引ける仕組みです)は受けられないとされています。海外資産の配当金や分配金がある場合は、この点も踏まえておくとよいと思います。
まとめ:SBI証券の口座画面で確認しておきたいポイント
ここまでの内容を、最後にチェックリストの形で整理します。
- 配当の受け取り方が「株式数比例配分方式」になっているか
- 特定口座の設定が「源泉徴収あり」になっているか
この2点は、SBI証券であれば口座管理画面から確認できます。心当たりのある方は、年末調整や確定申告のシーズンを迎える前に、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
個別の状況によって扱いが変わる部分も多いため、不安な点があれば、税務署や勤務先の経理担当者に確認しておくと安心です。
NISAの制度全体を、始め方から出口まで一枚の地図として整理した記事もあります。あわせてご覧ください。
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管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・49歳
- 📅 40歳から資産形成を再スタート(投資歴9年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:ラーメン食べ歩き