医療保険はいつやめる?「やめられる状態」を先に作った40代・50代の順序
わたしは40歳のときに投資を再開して、今年で8年目になります。50歳が近づいてきて、若い頃よりも病院に行く頻度が増えたな、という実感があります。それでも先日、長く続けていた医療保険を解約しました。
先に言っておきたいのは、これは「保険は無駄だ」という話ではない、ということです。保険料がもったいないから解約した、のでもありません。
理由はひとつです。この8年で資産が積み上がって、いざというときの医療費を、その資産で受け止められるようになったからです。保険が担ってくれていた役割を、自分のお金で代われるようになった。だからやめられた、という順番の話をします。
「今すぐ解約したほうがいい」とすすめる記事ではありません。むしろ逆で、やめられる状態を先に作りましょう、という話です。
やめられたのは、順番があったから
大事なことなので、最初に釘を刺しておきます。
わたしがやったのは「まず積み上げて、そのあとでやめた」という順番です。 資産がまだ薄いうちに保険だけ先に切る、という話ではありません。ここを逆にすると、いざというときに受け止めるものが何もない状態になってしまいます。
順番はこうでした。
- 8年かけて、コツコツ資産を積み上げた
- 医療費が必要になっても、その資産で払える見通しが立った
- そこで初めて、医療保険を解約した
- 解約と同時に、医療費を現金で持っておく枠を作った
「保険をやめる」が先ではなく、「やめても大丈夫な状態」を作るのが先です。
もうひとつ、土台の話をしておきます。日本の公的な医療保険には、ひと月の自己負担が一定額で頭打ちになる仕組み(高額療養費制度)があります。医療費が青天井で出ていく設計にはなっていない、ということです。ここでは詳しくは説明しません。制度の中身は、こちらの記事にまとめてあります。
(制度の内容は2026年8月時点のものです。今後変わる可能性があります。)
お金を出す順番を、3段で決めてある
医療保険をやめる代わりに、「医療費が必要になったら、どこからどう出すか」を先に決めました。3段になっています。
1段目:医療費の積立枠(現金)
まず、医療費専用の枠を用意しました。置き場所は、ネット銀行の目的別口座です。ふだんの生活費とは分けて、医療費だけのためのお金として置いています。
この枠には、3つのルールを決めています。
- 毎月少しずつ積む。 積む額は、それまで払っていた保険料と同じくらいの範囲にしています。
- 上限を決めて、そこまで貯まったら積むのを止める。 増やし続ける貯金ではありません。
- 使ったら、また積み直して元の水準まで戻す。
減ったら戻す、という運用です。だから「これ以上いくら貯めればいいんだろう」と悩まなくて済みます。
この枠は、現金のまま置いています。投資には回しません。医療費は、必要になったそのときに現金で要るお金だからです。値動きするものに入れておくと、いざ使いたいタイミングで目減りしているかもしれない。それでは枠の意味がありません。
ここが、既存の記事といちばん違うところです。「浮いた保険料はNISAへ」という話をよくしていますが、医療費に備えるためのお金は、投資に回しません。 目的が違うお金だからです。
2段目:足りなければ、投資の資産を取り崩す
1段目の枠で足りないくらい大きな出費になったら、そのときは投資の資産を一部取り崩して充てます。
ただし、投資信託は「最後の砦」です。最初に手をつける場所ではありません。順番を「1段目 → 2段目」と決めてあるので、いざというときに「どこから出そう」と迷わずに済みます。迷わない仕組みにしておくこと自体が、安心につながります。
3段目(じつは土台):公的な制度
そしてその手前に、さきほど触れた公的な制度があります。実際にはこれがいちばん下の土台で、1段目・2段目はその上に載っている、というイメージです。詳しくは先ほどの記事にゆずります。
同じものさしで、ほかのことも決めている
この「起きる確率が低くて、起きても払える範囲なら、保険はかけない」というものさしは、医療保険だけの話ではありません。
たとえば家電を買うとき、延長保証はつけないことにしています。家電の修理費や買い替え費は、あらかじめ「特別費」という別の枠から出せるようにしてあるからです。起きる確率はそこそこあるけれど、起きても生活が破綻する金額ではない。だから保険をかける対象ではない、と考えています。
医療保険をやめた判断と、延長保証をつけない判断は、根っこが同じです。
真似する前に、確認してほしいこと
ここまで「わたしはこうした」という話をしてきましたが、この判断がそのまま当てはまるのは、次の3つがそろっている場合だけです。
- 医療費を現金で出せる枠が、すでにある
- いざとなれば取り崩せる資産が、別にある
- いま、持病や治療中の病気がない
貯蓄がまだ薄い時期の人、持病がある人、家族の状況によっては、同じ判断にはなりません。人によって答えが変わる話です。
それから、これはとても大事なことなのですが、保険は一度解約すると、そのあとの健康状態によっては入り直せないことがあります。 「やっぱり不安だから戻したい」がいつでもできるわけではない、という点は、必ず頭に入れておいてください。
迷うときは、公的な相談窓口や、お金の専門家に相談してみてください。わたしがやめられたのは準備ができていたからで、やめること自体をすすめているわけではありません。
まとめ
- 保険をやめたから積立を始めた、のではありません。積み上がった資産が保険の役割を代われるようになったから、やめられました。順番が逆になると成り立ちません。
- やめると同時に、医療費を現金で持つ枠を作りました。上限を決めて積み、使ったら積み直す枠です。この枠は投資に回しません。
- お金を出す順番を「1段目:医療費の枠 → 2段目:投資の取り崩し → 土台:公的な制度」と決めてあります。
- 順番が決まっていて、「最悪は取り崩せばいい」と思える状態そのものが、いちばんの安心材料になっています。
「保険をやめましょう」ではなく、「やめても大丈夫な状態を、先に作りましょう」。その順番だけは、逆にしないでください。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品・サービスや事業者の利用、保険の加入・解約をすすめるものではありません。制度の内容は2026年8月時点のもので、今後変わる可能性があります。家計や保険の判断は、ご自身の状況にあわせて行ってください。判断に迷う場合は、公的な相談窓口や専門家にご相談ください。
管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・48歳
- 📅 40歳から投資スタート(投資歴8年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:サーフィン・ラーメン食べ歩き