NISAで買ったつもりが特定口座だった。高配当株で私がやった「預り区分」の選び間違い
「NISAで買ったはずなのに、あとで見たら特定口座だった」——こんな失敗は、自分には関係ないと思っていませんか。49歳の会社員の私は、まさにそれをやっていました。しかも、しばらく気づかずに。
金融庁の調査によると、2026年の利用枠でのNISA買付額は、上期(1〜6月)だけで約13.8兆円。そのうち成長投資枠が約10.2兆円でした。(出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和8年6月末時点)」、2026年10月2日公表の別紙1)
成長投資枠で個別株を買う人が増えるほど、同じ選び間違いをする人も増えるはずです。この記事では、私の失敗と、気づいたあとに「売り直すか、そのまま持つか」を数字で考えた中身を正直にまとめます。
マシマシおやじの実体験:保有株の約半分が特定口座だった
私は高配当株(配当金を多めに出す企業の株のことです)を、基本的には成長投資枠で買うつもりでいました。注文はいつもSBI証券のアプリからです。
ところがある日、アプリで保有銘柄を眺めていて気づきました。個別株の約半分が、NISAではなく特定口座に入っていたのです。
正直に言うと、ずっと気づいていませんでした。注文は普通に通りますし、株もちゃんと買えています。配当金も入ってきます。だからこそ「おかしい」と思うきっかけがありませんでした。
原因は、注文のときの選び間違いです。特別な事情があったわけではありません。
なぜ起きるのか:注文のときに「預り区分」を選ぶしくみ
国内株を買うときの注文画面には、「どの口座で買うか」を選ぶ項目があります。これが「預り区分」です(特定・一般・NISAの中から選びます)。
ここで選び間違えても、選んだ口座でそのまま買えてしまいます。「買う」という操作そのものは同じなので、注文が通ったことだけでは間違いに気づけません。私のように、保有一覧を見るまで気づかないこともあります。
そして、一度できあがった保有分を、あとからNISAに変えることはできません(次の節で詳しく書きます)。
NISAと特定口座で、何が違うのか
税金の違い
- 特定口座(源泉徴収あり):配当金にも、売って出た利益にも、20.315%の税金がかかります。「源泉徴収あり」は、証券会社が税金を先に差し引いて納めてくれる設定のことです
- NISA口座:配当金も売却益も非課税です
たとえば、仮に年1万円の配当金があるとします(あくまで仮の数字です)。特定口座なら約2,031円が差し引かれて、手元に入るのは約7,969円です。NISAなら、1万円がそのまま入ります。
なお、NISA口座で買っても、配当金の受け取り方が「株式数比例配分方式」になっていないと、配当金に税金がかかります。私はこちらの失敗もやっています。
実は、特定口座にしかないこともある
ここまで読むと「特定口座は損しかない」と思うかもしれません。私も最初はそう思いました。ただ、調べてみると、特定口座にしかない特徴もあります。
- 損益通算ができる:特定口座で値下がりした株を売ったとき、その損失を、ほかの特定口座の利益や配当と相殺できます。NISAで出た損失は、ほかの利益と相殺できません
- 配当控除を使える場合がある:国内株の配当は、確定申告で「総合課税」を選ぶと配当控除を受けられる場合があります。ただし、所得によっては不利になったり、住民税や保険料に影響したりすることもあるので、使うかどうかは個別に確認が必要です
もちろん、だから特定口座のほうが良い、という話ではありません。「間違えた分が、まるごと損になるわけではない」というくらいの受け止め方です。
間違えたあと、どうするか:2つの選択肢
まず事実として、SBI証券のFAQには、特定口座や一般口座で持っている株をNISA口座へ移すことは「制度上できません」と書かれています。預り区分の変更の一覧でも、特定口座からNISA口座への変更は「不可」です。(出典:SBI証券FAQ「一般口座や特定口座に保有している株式や投資信託をNISA口座へ移管することはできますか?」「預り区分(一般口座・特定口座・NISA口座)の変更はできますか?」)
そのうえで、考えられる選択肢は大きく2つです。
① そのまま保有する
売らずに持ち続ける方法です。手間はかかりませんが、配当金にも、将来売ったときの利益にも、税金がかかり続けます。
② 特定口座で売って、NISAで買い直す
特定口座の分を売って、あらためてNISAで買い直す方法です。ただし、次の点も一緒に考える必要があります。
- 値上がりしていれば、売った時点の利益に税金がかかります
- 売買の手数料がかかる場合があります
- 売ってから買い直すまでの間に、株価が動くことがあります
- 買い直した分は、NISAの枠(成長投資枠は年240万円まで)を使います
数字で比べてみる(仮の数字です)
私の場合、個別株は全体で約20%値上がりしています。そこで、わかりやすい仮の数字で比べてみました。実際の金額ではありません。
前提(仮)
- 特定口座で100万円分買った株が、20%上がって120万円になっている
- 配当金は年4万円(仮)
②で売り直すと、すぐにかかる税金
- 利益:120万円 − 100万円 = 20万円
- 税金:20万円 × 20.315% = 約4万円
税金を払うと、手元に残るのは約116万円。NISAで買い直せるのは、この約116万円分になります。
①でそのまま持つと、毎年かかる税金
- 配当金4万円 × 20.315% = 年 約8,100円
「一生売らない」前提で比べると
私は、高配当株として買ったものは基本的に売るつもりがありません。売らなければ、売却益の税金は発生しません。そこで「ずっと持ち続ける」前提で比べてみました。
| ① そのまま保有 | ② 売り直し | |
|---|---|---|
| 最初にかかる税金 | なし | 約4万円 |
| 運用している金額 | 120万円 | 約116万円 |
| 年間の配当(仮) | 4万円 | 約3万8,600円 |
| 配当にかかる税金 | 約8,100円 | なし(非課税) |
| 手取りの配当 | 約3万1,900円 | 約3万8,600円 |
②のほうが、毎年約6,800円多く受け取れる計算です。最初に払った約4万円は、約6年で取り戻せることになります。
正直、この結果は意外でした。「値上がりしているから、売ると税金で損をする」と思っていたのですが、ずっと持つつもりなら、売り直したほうが有利になる可能性があるということです。
ただし、NISAの枠を使う
売り直しで見落としやすいのが、NISAの枠です。買い直した分は、成長投資枠(年240万円・生涯1,200万円)を使います。今後の買付だけで枠を使い切る見込みの人にとっては、売り直しは「これから買う分」を特定口座に押し出すだけになり、メリットが小さくなります。
逆に、枠が余りそうな人なら、このデメリットは小さくなります。答えは、保有期間の見込み、NISAの枠の残り、含み損益によって変わります。
わが家の場合:いまは保有中、売り直しも考えるようになった
わが家の個別株は、いまも特定口座のまま持っています。
私は、成長投資枠は本当は投資信託で埋めたいと考えています。ただ、正直なところ、NISAの生涯枠の1,800万円を埋めきれる気がしません。だから、余る分を高配当株にも使っている、というのが本当のところです。
もともとは「値上がりしているから売らない」と考えていました。ところが試算してみると、「売るつもりがない」「枠は余りそう」という私の条件は、売り直しのほうが有利になりやすい条件でした。気づいたときにすぐ売らなかったことも、改めて数字で見直すきっかけになりました。
今後の値動きや配当の変化は、私にもわかりません。これはあくまで、わが家の条件で考えたことです。NISAの枠の使い方や、持ち続ける期間によって、考え方は人それぞれ変わると思います。
同じミスを防ぐためのチェック
あくまで一般論ですが、次のような確認が考えられます。私の失敗は「注文時に気づかない」「そのあとも気づかない」の2段階だったので、その両方に分けています。
注文するとき
- 注文の確認画面で、預り区分が特定・一般・NISAのどれになっているかを、確定する前に見る
- NISAの枠の残りを先に確認しておく
買ったあと
- 約定(注文が成立すること)のあとに、保有一覧で口座の区分を確認する
- 定期的に、NISA口座と特定口座それぞれの保有銘柄を見比べる
私の場合、アプリで保有一覧を見て初めて気づきました。買ったあとの確認だけでも、早めに気づけたはずだと感じています。
こうした「制度のしくみを自分の頭で理解しておく」という考え方は、以前読んだ本からも影響を受けています。
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まとめ
- 預り区分の選び間違いは、注文が普通に通るので、気づきにくい
- 特定口座で買った株は、あとからNISAに移せない
- 特定口座には税金がかかる一方、損益通算や配当控除など、特定口座にしかない特徴もある
- 「値上がりしているから売り直すと損」とは限らない。一生売らないつもりなら、売り直したほうが有利になる場合もある
- 一方で、売り直すとNISAの枠を使う。枠が足りなくなりそうかどうかで判断が変わる
- まず事実を確認して、次に数字で比べる。この順番が大事だと、私自身が実感しました
注文の前に預り区分を一度見る。買ったあとに保有一覧を一度見る。それだけで防げる失敗です。
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管理人
資産マシマシおやじ
都内会社員・49歳
- 📅 40歳から資産形成を再スタート(投資歴9年)
- 👨👩👧👦 子供2人(8歳・5歳)・住宅ローンあり
- 💰 世帯年収:約650万円
- 📊 投資手法:NISA・高配当株
- 🏄 趣味:ラーメン食べ歩き